友達がほしかったアウトくんのポエム

shoma520

poem1 友達コンプレックスのアウトくん

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“ ゲイのアウトくんの

病みがち連続ポエムシリーズ。

大震災が訪れる前の日本で過ごした学生時代は、いじめと自殺問題がいつもテレビのニュースになっていた。価値観が変わる少し前の話。オトナたちからは可哀想な視線を向けられた当時の子どもたち。学校は、刹那的でおしゃべりで露悪的で残酷な世界だった。闇になった気持ちは、闇の気持ちでないと救えないときもある。LGBTが日本語になる少し前の世界でセクシャリティに悩むためのポエムをキミに。lover、lover、lover ”


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心療内科にかかる程度にはならなくても、

大切な人を傷付けることにはならなくても、「幸せになるのが怖い」という気持ちは、たまに思い出す。きっと、僕は、友達コンプレックスだ。常に友達コンプレックスの中にいる。性癖がある。人でいるために人格を分ける性癖。罰ゲームフェチ、YouTubeフェチ、シチュエーションフェチ、羞恥プレイ、ソフトSM、その全てが僕の枯渇した友達がほしいという欲望を満たすための性癖。ちがう。学生時代に、まるで普通の男の子のように、男の子のような振舞いで、友達がほしかったという性癖。極端な人間関係を、極端なコミュニケーションをロールプレイすることで、一時的にだけ得る安らぎ。そして、どうしようもなく飽きてしまうことも、最初からやっぱり友達になれないことも知っていて、演技だって理性で言ってるのを聴きながら、最初からロールプレイを夢見て、最初から夢が醒めることを願うんだ。18歳になるまでは、いつも深夜は泣いていた気がする。わかる。深夜の3時をいつも待っていた。魂が静かになっていくのを感じるから。周りがやさしくたって、でも、気付かなかった、築けなかった。これが、学生時代にゲイに悩んで、同性愛がわからなかったから、だから、友達コンプレックス。

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