第30話 1 Truong Quyen
私のAir B and B Houseの近くにお気に入りのカフェを見つけた。
ベトナムといえばコーヒーなのだけれど、私はどうにもコーヒーが体質に合わないようで、いつもジュースを頼む。
今日は洗濯物を乾燥機にかけている間、そのカフェでブルーベリーソーダを飲みながらこれを書いている。
もうベトナムに来て10か月が過ぎた。
意気込んでいたベトナム語の勉強もやっとタクシーに乗れるくらいになったところで挫折してしまったし、仕事もうまくいかないし、歩かなくなったら体重が4キロも増えるし、ストレスで顎にニキビが大量発生してるし。
一言でいえば、もう日本帰りたいのだ。
情けないけれど。
私がベトナムにいる最大の動機であったJ君はもう隣にいないし、そのきっかけとなったR君は日本に帰ると言うし。
いやいや違うな。R君登場前から私はもう仕事が嫌になって契約更新せずに日本に帰ろうと思っていたのだった。
そう思って約4か月、頑張った。
契約満了まであと2か月というところまで辿り着いた。えらいぞ、私。
ああ、日本に帰ったらアラフォーバツイチ住所不定無職になるのか。
詰んでるな。
R君は私よりも10歳も年下だ。私なんぞと付き合いたいなんて異国の地でいかれちまったのか?
ベトナムに来ると日本人女性少ないし、いわゆるゲレンデマジックのようなものが働いたのだと思う。
もうちょっとゲレンデにいればいいのに、R君は来月で帰任するという。
マジックもここまでか。
愛してるなんて言われてしまったものだから、私もベトナムの暑さで浮かれてしまったのかもしれない。
でも、こんなことって信じられる?
アラフォーで10歳年下男性に愛してるって言われることなんて、騙されてる以外ある??
住所不定無職予備軍にそんなことする意味ないけど、なおさら私に惹かれる要素もなくて本当に謎。
とりあえず、私はこれからどうなるんだろう?
何のプランも思い浮かばない。
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