深淵から来る者たち

登場人物の紹介／用語

〈連邦統制軍〉

フェルミナ・ハーカー少尉

　航宙艦キリシマの航空隊に所属するパイロット。月面の訓練中にスカウトされた。内向的だが操縦の腕は隊内ではトップクラス。過去の任務中の事故がトラウマになっている。時々悪夢をみるが、火星に近づくにつれ頻度が高くなっている。訓練時は80式要撃機。キリシマに配属してからは91式戦闘攻撃機。コールサインは“セイバー”。

クエーツ少佐

　2チームあるキリシマの航空隊指揮官。月面演習に参加していたフェルミナを航空隊にスカウトした。

ニック・ウォーカー大尉

　キリシマ航空隊のひとり。チームリーダー的存在で内向的なフェルミナを色々と気遣う。

マック・ビレイ大尉

　キリシマ航空隊のひとり。口数が多い気の良いパイロット。

キーラ・アストレイ中佐

　航宙艦キリシマの艦長。アビスゲートに設置するハイパー核融合炉の輸送する船団の護衛任務に就く。

ガイ・ウエルチ少佐

　同艦・副長

〈アビスゲート／カサーン・ベイ社〉

ザビーネ・ジャンル

アビスゲートの建設に関わるエンジニアで科学者。7年前から計画に関わっている。

ヘルマン・ペイジ博士

カサーン・ベイ社に雇われている科学者。25年前に火星で遺跡を発見した人物でもある。彼の発見により人工重力、ワームホールが実現した。アビスゲートにいるザビーネ・ジャンルとはチャットをやりとりする仲。

〈その他〉

ボブ・カーター

フリージャーナリスト。アビスゲートを取材する為に輸送船ゴライアス202号に乗り込み火星に向かう。

モトキ・ユウヤ

　ワールド・ライズ・ニュースのジャーナリスト。ボブ・カーターとは親友。

エジマ・サヤ

　ゴライアス号に乗り込んでいた謎の女性。

ミスター・イエロー

　フェルミナ・ハーカーの夢に度々現れる人物。

レイ・チャオ

　宇宙航空管理機関の職員。大規模電磁フレア障害の報告書を作成後、事故に遭う。

・自由同盟軍

エメリッヒ・トップ大佐

　次元潜航艦アブデュルハミトの艦長。キリシマが護衛する輸送船団を狙う。

ダニエル・メイソン中佐

　同艦の副長

ファン・バウティスタ機関長

　同艦の機関長・少佐

ヘクター・モラレス二等兵曹

　同艦・システムオペレーター。システム異常の原因となった“ノイズ”を発見する。

・用語

ヘリウム戦争

　2180年に起きた月面に堆積するヘリウム3めぐって地球の幾つかの勢力が連邦派と自由同盟派に二分して争った。人類初の宇宙戦争となった。2年に及ぶ軍事衝突の後、停戦協定が結ばれた。

ヘリウム3

　核融合発電の燃料となる元素

オートワーカー

　この世界観でのロボットの一般呼称。様々な労働、サービスに従事している。元々は商品名だった。耐久性を強化した軍事用オートワーカーも存在する。

連邦派

　ヘリウム３は人類共有の資源財産とし、宇宙開発に共用すべきであると主張する様々な国家群が連邦化して生まれた勢力。（国際連合が国家化したイメージ）

連邦統制軍

　連邦派の国家群が共通の宇宙戦力として編成した宇宙軍。対して自由同盟派の宇宙軍は自由同盟軍と称される。

自由同盟派／自由同盟軍

　月のヘリウム３の所有権は、発見者にあるとし、ヘリウム3の所有権利の容認を求める多くの企業の後押しで形成された国家群勢力。

アビスゲート１

　大量輸送用のワームホール式ワープの発生装置。六基の大型核融合炉で稼働する全長が約10キロのリング状の大規模人工物。火星の古代遺跡で発見された数多くの技術で実現した。装置とシステムは完成しており、居住区が建造中である。理屈上ではエネルギーの大きさに比例した距離を移動でき、仮で取り付けられている核融合炉を使ってワープの小規模テストが行われている。将来的には目的の場所に同型のアビスゲートを建造して相互的なワームホールリンクとする計画となっている。連邦派国家がスポンサーとなり複合企業カサーン・ベイ社が建造中。

　自由同盟軍でのコードネームは”ビッグ・アルファ“。

エグジットサテライト

　アビスゲートからのワームホールワープの出口側専用の装置。2つの衛星ユニット。小規模テストが継続中。

・登場する戦闘兵器

〈連邦統制軍〉

デアフリンガー級航宙戦艦キリシマ

　400ｍを越える航宙戦闘艦で艦載機、装甲降下挺、兵力人員の収容と強襲艦の側面を持つ。標準的航宙巡洋艦の約2倍近い全長を持つが多くを収容スペースに割いている。武装が巡洋艦とほぼ同じにも関わらず“戦艦”と称されるのはその大きさの為。船体の巨大化により大型レーダーの搭載が可能となり、長距離探知能力は航宙戦闘艦随一。同タイプの艦は8隻で、艦隊旗艦として運用される事が多い艦。

クレムソン級巡洋艦マーブルヘッド

　輸送船団を護衛増援する為に火星駐留艦隊から四隻の駆逐艦を率いて船団に向かう。

トライバル級航宙駆逐艦

　火星圏にも配置される長距離星間航行にも対応できる最新型。地表攻撃も可能で連邦統制軍の主力駆逐艦。

輸送船団の護衛増援の為に火星駐留艦隊からグルカ、モホーク、タタール、サラセンの四隻が向かった。

トブルク

　火星の衛星軌道上に配置された要塞ステーション。火星駐留艦隊の補給を主な目的とした衛星基地。

〈自由同盟軍〉

次元潜航艦アブデュルハミト

　新開発の次元潜航装置を搭載した秘密兵器。別次元の空間を移動する為。通常のレーダーや測定装置では探知できない。宇宙空間を航行する時は、他の航宙艦と同じく核パルスエンジンを使用する。搭載されている火器は少ない。