第22話 敵地潜入2!バトルです!


「ん?...そうかぁ。なにかいるなぁ...さっきからやけに入り口が騒がしかったもんなぁ」

呪術師が私たちの気配を察知したようだ。ニタニタと笑みを口角をあげてこちらを向いた。

「隠密の魔法か...めんどくさいのが複数いそうだな...結界」


相手は結界を張り攻撃に対処しようとしている。


もう一人は攻撃魔法を放ってくる。モチの結界で防ぐが場所が直ぐに割れてしまった。

「み~つけたっ」ニタニタと笑みを浮かべながら近づいてくる。

こいつの足に血痕が沢山残っている。おそらくこいつが...

「セイ。俺にこいつをやらせてくれ。もう一人を頼んだぞ」

「わかった。...気を付けてね。」

「ああ。いくぞリゲル。」



私は結界を張った男と対戦だ。

「なんだ?この魔力量は...」


しかし、どうしようか。下手に大きな攻撃もできない。後ろには囚われた子供たちがいる。

結界を張られてしまっては厄介だ。

「モチ、どうしよう。結界ってどうやったら破ける?」

『セイちゃん。相手の魔力循環を止めればいいんだよ。見ててね。』


持ちが地面に魔力を流す。

そこから相手へ...



パリンッ


なるほどな…

いつもより緊張状態にあるせいか魔力への感覚が鋭くなっている。

今の感覚はもう覚えた。私にもできるという確信がある。




「なッ!!!」焦った相手は攻撃を仕掛けてきた。

「モチ!ありがとう!ピノいくよ!」

『キュ!いくの!』


結界が破られた隙をつく。

相手との距離を一気に詰める。相手はやられまいと攻撃魔法を無作為に飛ばしてくる。

これでは子供たちが危険だ。


「ピノ!子供たちを攻撃魔法から守って!」『キュ!まかせてなの!』


しかたない。相手も標的が見えないから攻撃を無策に飛ばしてくるだろう、

なら...隠密を解く。


「なんだあちびっこじゃねえか。んんん?その瞳の色と髪色...

まさかねぇ。でも最高の実験体が目の前に転がり込んできたじゃねえか!」


うるさい奴だ。


一気に間合いを詰める。身体強化は盾の魔法で全身を魔力で纏っているため共に常時発動している。




仕掛ける。


ヒュンッ


苦無を相手に飛ばすが防がれた。

「ちょこまかと動きやがって…闇魔法ダークホール」


身体が相手に引き寄せられている?


闇魔法の使い手か。やはり。

なら光は対極。力比べだな。


「ライニングバレット」

引き寄せられてているが、身体強化した私には大した引力ではない。

相手に無数の銃弾を放つ。が…またもや結界を展開してきた。

相手が防戦ばかりでやりずらい。


土魔法 泥沼


まずは足元からだ。

相手の足元を沼に変える。


そして、


結界 鳥籠


相手を沼の範囲内から逃がさない。

確実にヤる。足元を沼にかえ地面へと引きずり込む


相手も必死で結界を内側から攻撃する。

「なんなんだ!この強力な結界は!!」


私だって命がかかってる。

やわな結界なんて使わない。


相手がどんどん沼に沈んでゆく。

肩が少し出ているあたりで止める。


地面に魔力を流して、相手の結界を崩す。


「なんなんだ!お前!」


結界を解き相手の戦意を喪失させる。


まずは肩


ライニングバレット


グワァァァ


逆側


グワァァァァァァ


「ひぃっ!もう、や、やめろ!

くそっ!~~~**~~~~~**~~~~~」


相手が何か聞き取れない言葉を言い放つ。



!!!


ッッ結界!!!


感じの悪い魔力が相手から一気に放出された

なんだ…禍々しい魔力を肌でピリピリと感じる。


ピノとモチは?!!

…さすがモチだ。結界でピノと子供達を守っている。


どうする。

目の前の相手は、先ほどから様子がおかしい。

先ほど射抜いた肩の傷が黒い魔力で修復されていく。瞳が…白くなっている。肌も血管が浮かび上がり赤紫の様な色に。


ゴウォワァァァッッッ


いきなり叫び出した。先ほどの相手の気配ではない。もっと禍々しい。この世には存在してはいけない様な魔力質。冷たさを感じる魔力。




…先程の相手はもういない様だ。


理性のない人の形をした魔物と化した。


魔物化…黒龍がうけた呪いと同じか?

人間にも通用する…という事か。危険すぎる。


お母さんが使っていた呪いを解除する魔法はよくわからない。

呪いを解除したところで、魔物化が解けるかもわからない。


...殺すしかないのか?


相手は理性をなくした目でこちらをギロリと睨んできた。

「...悩んではいられないのか...な。」

後ろには小さな子たちが泣きながら、怯えながら、モチの後ろでこちらを見ている。

希望...なんだな。私は。


魔物化した相手がこちらに走ってきた。

私だって、命が掛かってるんだ。もう死にたくない!


「光魔法!フラッシュ!」

目眩しする。

相手の動きが止まる。


「植物魔法!アイビーキャッチ!」


しかしぶちぶちと蔦を切り破りながらこちらに向かってくる


!!!相手が先ほどと同じダークホール引き寄せられる魔法を掛けた。

前回よりもより強力な力で体を引き寄せられる


魔物化状態でも魔法は使えるみたいだ。更に強力に。


ううっ!体が持っていかれる!

「結界!」


発動はしたが、結界ごと殴られて吹き飛ばされる。


「グハッ!いたたた…」

体が軽くて良かった。

結界はしていても吹き飛ばされ地面に衝突した衝撃は体にひびく。


「ヒール」体に回復魔法をかけておく。


ならばもう相手の一度動きをとめて…


「アイスロック」

氷魔法で相手の足元から拘束する。


グォォォ

叫びながら拘束した氷を殴っている。


「アイスロック!!」

さらに足元から体全体へ氷魔法で体を覆わせる。


全身を氷で固めたが目はこちらをぎろりと睨んでいる。まだまだ倒せていない様だ。

もしかしたら寒さは感じない身体なのかもしれない。


ならば…


「ライトニングマシンガン!!」

ライトニングガンを手の平から無数、一気に放出する魔法。


身体を何箇所も撃ち抜いた。

また修復するかと思ったがそうではない様だ。

魔物化によって回復しただけで、それ以降の回復は無いのかもしれない。


ゴブッ


相手の魔物化した体から大量の血が溢れ出る。


血…

人…なのか…



あぁ…あぁ…

手のひらを見る…



ッーーーーー

記憶が流れる


大量の血…

私を庇うお兄ちゃん。

手にはこべりついた血。自分のお腹から溢れ流れる血。

朦朧とした意識の中で家族の姿を必死に探す記憶。


前世での最後の記憶。



「ハァッハァッハァッハッァ」

苦しい。お父さん、お母さん、お兄ちゃん、モチ




私は目の前の倒れる魔物化した人間を殺した。

大量の血。

人を殺したショックからか、

大量の血が前世での1番悲しく、辛い最後の記憶を思い出したことからか。

相手を倒した安堵からなのか。


フラッ…フラッ

目の前が霞む…

『セイちゃん!セイちゃん!!!』

『キュッ!セイちゃん!』


パタンッ



モチとピノ…

あぁなんか叫んでる。みんな生きてるのか。


…よかったぁ。



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