タゴサクと魔法のTシャツ
昔むかしのタゴサクのお話。
ある日、行商人が、魔法のTシャツという肌着を持ってきた。
タゴサクは、白地に絵の描かれた物を三枚買った。
1枚目は、黄色い丸に笑顔が描かれた物。
2枚目は、緑色の恐竜の顔。
3枚目は、青色の翼の絵。
試しに、笑顔のTシャツを着てみたら、笑顔の絵が動き、大声で笑いだした。
ビックリしたタゴサクであったが、魔法グッズに関しては、経験豊富。正直、この程度の魔法か? と、いうくらいの感じ。
では、翼の絵だと、空が飛べるだろう。
じゃ、とばかりに翼の絵のTシャツを着てみると、絵から翼が出てきた。
バサッ バサッ と、羽ばたいて、空を行く。
ここでタゴサク、間違った。
胸から翼が生えると、仰向けで飛んでしまう。
目の前に広がるのは、広大な空。
空、空、空、空、空、雲、空、空、空、空、空、雲、空……。
空しか見えない。
前が見えない。
前が見えないまま飛んでいると、何かにぶつかった。
城である。
天守の瓦にぶつかって、Tシャツが破れて瓦の端のシャチホコに引っかかった。
だんだんと破れながら、脱げていくTシャツ。
ここは、お城の一番上の屋根の端。
足下は、遥か彼方に地上が見える。
どうしようにも、手に持っているのは、残り2枚のTシャツだけ。
恐竜と笑顔で、どうすれば助かる?
さて、いつものように、天守の窓から町の様子を見ようとした、お殿様。
窓の向こうに変な物が見える。
足?
有り得ないが、明らかに窓の向こうで、足がブラブラしている。
タゴサク?
有り得ない事があった場合、たいていはタゴサク。これもタゴサクに違いないと、静観する意を固める、お殿様であった。
ついに、タゴサクから翼の絵のTシャツが離れる時がやってきた。
上半身が裸のままで、落下していくタゴサク。
窓に掴まろうにも手が届かず。
できる事は、慌てて2枚のTシャツを着る事だけ。
窓を見ていた、お殿様。
足がフルフル揺れて、裸のタゴサクが降ってきた。
なんと、落ちながら、袖を通し、服を着ようとしている。
とりあえず、バイバイと手を振った。
落下中のタゴサク。
さぁ、どうする?
とりあえず、恐竜のTシャツを着てみると、大きな恐竜の顔が胸から生えてきた。
次に、上から笑顔のTシャツを着る。
すると、胸の恐竜が、大口を開けて笑いだす。
ガカッ!
大笑いした恐竜の口が、お城の壁に引っかかる。
タゴサクは、お城の壁にブラ〜ン。
お殿様、窓から下を見つめながら、呟きます。
「さすが、タゴサク。面白そうな事を……」
とりあえず、助かったのか?
タゴサクも、上を向いて、窓から顔出すお殿様に、手を振りました。
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