ライクロフトの静謐(せいひつ)

Eternal-Heart

第1話 :漂う

濃灰色の低い空 流れゆくさまを眺める。



ゆっくり形を変えながら東へ流れ

時折、雲間から光の筋が差し降りる。

流れゆく雲ほど風は強くない。

なだらかな緑の斜面が緩やかに揺れている。


あの厚く鈍い鉛色の空の向こうには

常に青空が広がっている。

頭では理解出来ても気持ちは信じ難くなる。



希望を信じなくなるのと同じだ。





テラス

ダークローストのコーヒーと煙草

厚手のパーカーと膝掛け

肌寒い季節だが、この場所がお気に入りだ。



自然豊かな郊外の丘に佇む一軒家。

地の果てまで逃れ、辿り着いた安住の地。


ただ自分を感じながら時の流れに漂う。

まるで眠りにつく前のひと時を繰り返しているようだ。


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