元四天王の私、勇者の息子が魔王になるため弟子入りしてきました。

ピラフドリア

第1話 『暇な世界』



 世界は魔王により混沌の時代が訪れていた。魔物が蔓延り、人々は怯える。

 そんな中、一人の勇者が立ち上がる。彼は仲間を引き連れて、魔族を次々と倒した。

 そして四天王を打ち破り、魔王城に侵入。勇者はついに魔王を討ち取ったのだった。




「ねぇ、スラミー。そこの塩とって」




 私は配下兼召使いであるスライムから塩を受け取ると、ライスに振りかける。




 私は元四天王であるリッチのメリアだ。勇者に倒され、やることのなくなった私は魔法の森という人里離れた森で暮らしている。




 魔王がいなくなった事で魔王に召喚された魔物は消えてしまった。現在は私の魔力で作り出すことのできたスライムのスラミーちゃんに家事を任せている。




 朝食を終えた私はベッドに倒れ込む。




「あーあー、暇だなーー」




 四天王である私は魔王の力を強く分け与えられた。そのため簡単に消えることはない。

 魔王のもとで働いていた頃は、ブラックだ! 休みが欲しいだ! そんなことを考えていたが今になって考えると、やることがあっただけ良かったのかもしれない。




 ベッドの上でぽけーっとしていると、こんこんと扉を叩く音がする。




 魔物がいなくなったとはいえ、ここは簡単に人間がたどり着けるような場所ではない。

 聞き間違えだと思い無視していると、もう一度ドアが叩かれる。




 聞き間違えではなかったようだ。スラミーちゃんに行かせてもいいのだが、ここまで辿り着いたとなると只者ではない。

 私のわずかな力で作り出したスライム(家事係)を討伐されるわけには行かないので、自分で動くことにする。




 扉を開くと、そこには私の身長の半分程度の人間がいた。

 金髪でどこか顔つきは見覚えがある。




 少年は私の顔を見ると、




「俺を魔王にしてください!!」





【後書き】


 こんな作品どっかにありそう!

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る