めぐるめく

理柚

秋はどこから

嵐は予報通り一晩で過ぎ去り

川はごおごおと音を立てて

百日紅の紅い花を巻き込んでいく

ひと刷毛の雲が

昨日よりも遠い

顕になった肩に

何かが足りない

鈍っていた嗅覚に

少しだけ風を感じる


普段は「宛先不明」のくせをして

伏し目がちに そっとあらわれる君

仮説に仮説を塗り固めて

昏く火照った躰の熱を

高らかに笑い 払い除けてはくれないだろうか

この手紙がまた

錆びたポストに戻ってきてしまう前に

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