第18話 それぞれの場所で

 side Story ……inアリス


 やはり何かが変だ。

 この国の事なら何でも知っているなどと己惚れる気は更々ないが、それでも私はこの国の事に関して多くの事を知っている。国民が見て感じる表の顔も、政界の者達が蔓延る裏の顔も。それは私が裏側にどっぷりと浸かっている公爵家生まれの娘だからだ。だから幼い頃から世間一般的に屑と罵られるような悪徳な権力者達に囲まれて、人の醜い部分を嫌というほど眺めて来た。

 その甲斐もあって、幼い頃から膨大な量の情報に触れて育ってきた。


 そんな私にも分からない世界がある。

 その中の一つがエドルフという種族の謎。

 彼等は謎が多い。何せ情報量が少な過ぎるのだ。それの原因となっているのが、もう二百年もすれば四桁に及ぶ、余りにも長い年月もの迫害の歴史。

 私も人々と同じ。彼等の迫害をなのだと認識して、それが当たり前で、今まで興味を向けた事すらなかった。だがエステルという女の子と出会った事で、私が学んだエドルフとはかけ離れている事を知ってしまったのだ。

 そのきっかけをくれたのが婚約者のクラウス。彼は春先に事件を起こして以降、エドルフに興味を持ち始めていた。力への渇望はあると思う。だけどあの子に惚れてしまったとか、罪の意識から芽生えた迫害に対する正義感からなどではない事だけは分かっている。

 そんな彼が実家から帰って来て告げた一言が、私の心にも引っ掛かった。


 ――彼等はどうして生きているのだろう。


 言葉だけを聞けば酷い物言いだ。

 しかし彼が呟いた言葉はそうではない。

 もうすぐ四桁にも及ぶ迫害を受けても尚、彼等は伝承の姿を残したまま血を紡いで生き続けている。その事に関する純粋な疑問から漏れた言葉だった。

 その言葉を聞いて、確かにとその通りだと私も思ったのだ。

 だから私も、彼女に関わってみようと思った。


 此処数日、私の知らない事が溢れる様に跳び出して来ている。

 今まで興味や関心がなかった事や、疑問にすら感じなかった事を知ろうとしているのだから当然だと思う一方で、私だけが知らない疎外感の様な物がある気がするのだ。気のせいだろうとは思うものの、考えてしまえばやっぱりもやもやとする。

 今回の作戦はまさにそれだった。

 リオンは直感で答えを出す傾向が強いからこそ、エステルの無策とも呼べる案に便乗するのは、冷静になればさほど不思議ではない。

 マリンは人の不注意による不祥事を何より危険視しているからこそ、エステルが勝手な行動を起こさない様にする案として賛同するのは、始めこそ驚いたが考えてみれば納得も出来た。だからそれに賛同してエステルの案を飲んだクラウスも、考え方としてはまぁ分かる。

 理解出来ないのは、シャルロッテが便乗した事だ。

 しかも彼女は、エステルがそれを口にした時から自分が彼女の護衛に着く事を決めてしまっている。それがこれだけは譲る気はないと言っているように聞こえたのだ。

 そう聞えてしまったのは疑心暗鬼になり過ぎているからだと言われてしまえばそうかとも思うが、これでもはとこで幼馴染だ。彼女の事は良く知っているし、彼女も私の事を良く知っている。それこそ互いの家々の情勢がどうなっているのかを知っている程に……。

 だからこそ思う。きっと彼女は私が知らない秘密を知っているのだ、と。


「やっぱし町中がピリピリしてんな」


「昨日の爆発は私も見た。あんなに目立つ場所で火の手が上がれば、隠しきる事は不可能だし、噂も広がる」


「あれは奴等も想定していなかった襲撃だったはずだ。目の前に現れていたマリアンヌが当人だったなら、もしかしたら押し切られていたかもしれん」


「あんたにしちゃ随分と弱気な発言じゃないか?」


「機関の噂は何度も耳にした事がある。そこに在籍していた女に一学生の俺が対等にやり合えるなどとは到底思えん。それでも対峙した時は強気に出るしかなかったのだ」


「それで良いと思う。強敵と戦う時は、一矢報いてやるぐらいの気持ちがないと駄目。そうじゃないと獣は逃げない。人だって同じ」


 村の名残を残している旧市街を歩きながら、アリスは先頭を歩くチェイスター=オルゴットこと、オーヴェン=ストレイド教員の背中を見つめていた。

 彼は元々謎の多い不思議な教員ではある。

 職員室にいる教員でさえ姿を見かける事が少ないという噂があり、授業にこそ遅刻をしてこないが唐突に自習を言い渡して教室を出て行ってしまう事もしばしば。また、学園の教員の中では上から数えた方が早い実力者でもあるとのことだ。

 呼べば何処となく現れるけど、姿を探すだけでは見つからず、探していないと見つかる。教員からも生徒からもそんな風に言われている神出鬼没の教員。


 だが今回そこは問題ではないし、エステルが身支度を整えに向かった後に教会にやって来た事も驚きはない。何せ、あの協会にはティリス教授が訪れていたのだ。彼女の使い魔の存在を知っていれば、凶悪犯の潜伏場所を捜索していたであろう彼を呼び込む事は可能である。

 だから問題はそこではない。

 問題なのは、私達の捜索隊が目的があって動いている様には見えない事だ。

 見回りの人手を増やす事により凶悪犯が動きづらく名の事は理解出来る。だけど、それなら何のために実力者であるはずの《この人》は呼ばれたというのだろう。

 そして、私達が教会から支給された道具を整理している間に、シャルロッテと何を話していたのか。


「アリス=レミュール、色々と不可解な事が続いているように見えるのかもしれないが、もう少し肩の力を抜け。マリン=クロッセル、お前もだ」


 去年彼のクラスに在籍していたクラウスから話は聞いていたが、確かに噂違えぬ鋭い人だ。しかも気遣われている。でも、会話をしてくれるというのはありがたい。


「恐れ入りますが、何故私達は同じところをぐるぐると回っているのでしょうか?道を変えて隅々まで目を通していると言えば痕跡を探している様にも見えなくはありませんが、気のせいでなければ同じ場所を周回しておりますよね?」


「私達が凶悪犯と戦えると己惚れている訳ではないけれど、学生の捜索隊は他にも何チームかいるはず。私達だけに先生が同行してくれるのは流石に不可解」


 少し前から地鳴りの様に響いてくる戦闘音が私達の焦りを募らせる。


「あんた達、頭でっかち過ぎてまだ気付かないのかい?」


 そんな中で言葉を返して来たのはまさかのリオンだった。


「何がよ?」


 思わずムッとしながら彼女の方を振り返る。

 すると彼女は私とマリンの顔を見て少し小馬鹿にするような笑みを浮かべた。


「つまり私達が本命の部隊って事さ。奴等のアジトで今し方ドンパチやってるであろうローレン先生が率いる部隊が囮。あたし等がこの辺りをグルグルしてんのは、作戦開始と同時にある地点に素早く移動するため。そうなんだろう?センセ」


「話が聞えていたのか?」


「んにゃ、全然。何となくそう思ったんだよ」


「どうしてその答えに行き付いたのか尋ねたいところではあるが、お前の事だからそれが答えなのだろうな」


「流石センセ、わかってんじゃん」


「その直感が学術から逃げるために使われなければ申し分ないのだがな」


「素直に褒めてくれても良くね?」


「お前はギルドからの評価を見れば非常に優秀な生徒ではあるが、褒めれば褒めるだけ調子に乗るとケリー先生から聞いている。今はまだ、気を緩めれる場面ではない」


「意識の切り替えぐらい出来るつぅの」


 リオンがやや拗ねてしまったが、彼女の事は今はどうでもいい。


「それはつまり、エステルの作戦が成功すると言う事ですか?」


「そうだ。俺も話に聞いた時は斬新な方法だと思った。だが理に適っている。今のクレアは、マリアンヌが理想とする聖女としてエステルを追い掛けているのだ。捕まえてから何度も思考の上書きを試みている事だろうが、植え付けた魔法式は賢者の一人であるセフィリア学園長が未だに手を拱いている程の代物だ。仕掛けた当人とはいえ、簡単にどうにか出来る物であるはずがない。同様に、幼い頃に植え付けた記憶はそう簡単に上書き出来る物ではない」


「策士が策に溺れるとはこの事だな」


 クラウスが鼻で笑った途端、それは起きた。


 青空を一瞬だけ赤く染める魔力の大爆発。

 旧市街から見える魔法科校舎の時計塔の天辺から空気を震わす衝撃が伝わり、空に浮かぶ雲が押し広げられている。


「作戦開始だ!まずは学園正面の道を抑えろ!」


 想定していた以上の力の余波に思わず委縮してしまった一同だが、オーヴェンの掛け声で足が動いた。



 ◇◇◇


 side Story……inマリアンヌ



 逃亡ルートの確保をしなければならないとはいえ、目を離したのがいけなかった。

 目の前に転がる縄と足が折れた倒れた椅子。寝台の上には人の足が垂れ下がっていて、壊された窓から差し込む微風がカーテンを揺らしている。

 歩を進めると足音に反応して、寝台の上に転がる人物の指先がピクッと動き出した。


「スティング。貴女、余計な事をしてくれましたね」


「僕のせいに、しないでくれる?いてて……僕が様子を見に来た時には、既に立ち上がっていたよ。だから、逃げられる前に捕まえようとしたんだけどね、御覧の有様さ、まったく。彼女、タガが外れて筋肉の制御が効いていないんじゃない?あー畜生、肋骨に罅が入ったかな?」


 深くフードを被った外套を纏う小柄な人物は身体を起こし、胸に手を当てながら破壊された窓を見て舌打ちを鳴らした。


「早く探しに向かったら?君の計画には、彼女が必要なんだろう?」


「探すも何も、あの子が向かった場所は分かっております。それよりも貴方、あれに気付かずに寝ていられるだなんて、敏感だと自負している割には随分と鈍感なのね。やっぱり主への敬意が足りないのではなくて?」


「意識を失っていたのに敏感も鈍感もあるかよ。確かに僕は神様なんざ信じちゃいないけど、それところと関係なくない?そもそも何の話?」


「空を見なさい。それでも気付けないのであれば、貴方はやはり鈍感です」


 マリアンヌが壊れた窓に視線を移す。

 起き上がったスティングも身体を起こして外を見た。だが窓枠という額縁が乱れているだけで、景色に変化があるかと聞かれれば決してそんな事はない。普段通りに建物の屋根と学園を囲う木々が見える。精々違う点を上げれば、雲一つない青空が広がっている、その程度だ。


「……何もないじゃん」


 窓に近づいても変わらない。


「そう思うならそうなのでしょう」


 マリアンヌが室内を歩く音がゴツゴツと響く。


「嫌な言い方。寝てる時の事なんて知らないっつぅの。そこまで言うなら何が起きているのか教えてよ、センセ」


「化物が何らかの方法で、膨大な魔力を空に放ったのよ」


「は?何それ?それでどうして釣れるのさ?」


「それは、あの子が聖女だから」


 そう答えたマリアンヌは振り返り様に軽く袖を振るった。

 瞬間、二人の間に火花が散る。


「……っ、何のつもり?」


 右手に逆手持ちのダガーを構えながら、スティングは壁に背を付けてマリアンヌが下ろした紅い片刃の剣に視線を落とす。


「見て分からないかしら?」


「怒ってる事ぐらいわかるけどさ……何を怒ってるのか、全然分からないな」


「……そう」


 短い返事と共に刃が走る。

 スティングは辛うじて反応した。

 マリアンヌが握る紅い小太刀が、スティングの首筋を護るダガーの側面を押しながらもゆっくりとなぞる。


「……ギルバート、ロム=ホワイト、ジェイムス、クリス」


「……誰だよ?」


 ふっと押す力が弱まった直後に繰り出される連撃。

 スティングは身体が軋む痛みに舌打ちを鳴らし、二本目のダガーを引き抜いて抵抗した。

 一撃一撃の振りが速く、それでいて重たい。

 女の、それも年齢的にも初老と言える細腕の何処からこんな力が出てくるのかなどと考える暇もなく、急所を護るだけで精一杯。

 このままでは間違いなく殺される。


「あああああああああ‼」


 スティングはがむしゃらに抵抗をして見せた。

 肩、腕、胴体、足と刃を掠めても腕を降ろす事は許されない。

 刃に掠めて左手の小指と共にダガーがすっぽ抜けた。

 それはマリアンヌの視界を遮る様に回転しながら彼女に向かって飛んで行き、そのおかげで嵐の様な攻撃に隙間が現れる。

 スティングの足が壊れた窓の方へ伸びた。

 しかし外套の端を掴まれて壁に叩き付けられてしまう。

 

「があぁ!」


 その後直ぐ、肩に焼けるような痛みが走った。

 座り込む事も許されないスティングは、深く被ったフードの隙間からマリアンヌを睨みつける。


「誤魔化せるとは思わない事です」


「……チッ、ケチだなぁ。ちょっと面白い話を教えてもらったから遊んだだけじゃっ、があぁ!」


「言葉は選びなさい」


「……何が聞きたいんだよ」


「今から八年前。あの頃には既に大陸の中央で戦争が始まっておりました。しかしこの国はエルドリアとは真逆に位置する大陸の最果てであり、まだあの頃は連合国が今の形に成り始めようとしていた頃。なのに貴方方はあの学園にも手を回していた。何処で、何時、どのようにして、貴方達はあの子が聖女になる事を知った」


「……あの糞医者め、余計な事を」


「質問にだけ答えなさい」


「……さぁね、知らないよ。あの糞医者がお前に何を言ったのかは知らないけどさ。あの頃はまだ僕もガキなんだ。その日を生き抜くのに精一杯で、何が起きていたのかなんて知る余裕もない。どうせ勇者様が何か言ったんじゃないの?勇者と聖女は惹かれ合うもんなんだろう、センセ?」


「…………」


 目の前の女は生気が感じられない人形の様に表情がない。

 しかし滲み出る狂気だけが瞳の奥から漏れ出している。

 それが他者の心を覗いているかのようにも見えて恐怖心を駆り立てた。

 視線を合わせ続けている事に耐えられなくなったスティングは、逃げるために視線を外す。

 人の無意識に呼びかける意識誘導。

 しかしマリアンヌは乗ってこない。

 

 ――駄目か。


 正直にこの女を舐めていた。

 教会の裏組織に属していたとはいえ四十代ともなれば初老の女。魔法では勝てないと分かってはいたが、身体能力にこれ程の差があるとは思いもしない。

 内心で苛立ちながら、乱れた呼吸を整えつつ今一度マリアンヌを正面から睨みつける。その時になってスティングは初めて違和感を覚えた。

 この間、大体五秒ほど。

 

 ――こいつ、こんなに若かったか?


 少なくとも数日前は、若くは見えていても年齢相応の顔をしていた。

 しかし今目の前にいる女にはそれがない。それどころか全くの別人だ。

 誰かと入れ替わっていないのだとしたら、肌の年齢から若返っているとしか考えられない。

 そんな事が可能なのか?と、スティングの脳内に疑問が浮かび上がる。

 しかしそれは自らの肩に突き刺さる刃が答えを示していた。

 それに気付くと同時に、壁越しからコツコツと小さな衝撃を感じた。


「ふひひ」


 スティングは笑い始める。


「何処からその剣を抜いたのかと思っていたらそういう事か。それ、血闘呪術ブラッドカースって言うんだろう?吸血鬼さん。いや、混ざり者なのかな?」


 その一言によりマリアンヌの殺気が増した。

 何を言っても表情を変える事の無く、只不愉快だと言葉に乗せて来るだけだった女が激高しているのが手に取るように伝わって来る。

 それを表す様に、瞳の色が赤く変色して瞳孔が鋭く吊り上がる。


「ハハッ!エステルを化物という割に、お前も十分化物じゃないか!」


 小賢しく馬鹿にしたように笑う。

 それが合図でもあるかのように青い聖痕を光らせる左腕が壁を突き破って来た。

 勢いから身体に届くと判断したマリアンヌが引き下がると、その腕はスティングを捕まえる。


「は?ちょっと待てよおまう゛ぐぇ!」


 それは聞いていないと言うかのような抗議の声も空しく、空気が抜けるような悲鳴と共に、スティングの身体が壁を突き破って引き摺り込まれて行った。

 

「……見事な隠形。貴方がその猿の上司かしら?」


 壁に空いた大穴の先に見える深い霧の中にいる人物に問い掛ける。


「いや、俺はただの雇われだ」


 男はその一言だけを残して姿を消した。

 だが深追いはしない。

 不届き者を駆除する事が出来なかった事は悔やまれるが、一瞬だけ判断を躊躇させた男の闘気は本物だ。前線から離れている期間の長い自分が深追いをすれば、噛みつかれる事は明白であろう。

 今はもっと、何よりも優先してやるべき事がある。


「賑わしくなって来ましたね」


 人が集まってきているのが空気の流れから伝わって来た。

 家の扉を蹴り破り、大勢の足音が階段を上がってきているのが分かる。

 余りにもタイミングが良い。きっとあの男が呼び掛けていたのであろう。


「あら?」


 転がっていたはずの指が無くなっている。

 飛ばしたとは思えない。見えないという事は何処かの物陰に転がしたのか……。

 きっと偶然だろう。


「聖女様のためとはいえ、これは議会に掛けられる事になりそうね」 


 町中に紅い月が出現している。

 他者の理性を奪って見境を失くさせる、ルナティックと呼ばれる魔法だ。敵もその他も全部まとめて、混乱の騒動で有耶無耶にしようとしている。

 スティングは間違いなく、その被害者として紛れ込む事だろう。


「貴方、スティングの下にいるには勿体ない程に優秀よ。坊や」


 今一度男が姿を消した隣の部屋に視線を向けて、マリアンヌは壊れた窓から跳び出した。


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 おまけ○○紹介


 ・ルナティック

 自分以外を対象に、理性を奪って見境を失くさせる光の中級魔法。理性を奪われて暴れ出すものは一時的に肉体能力が向上する副作用がある。

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