HERO

枝間 響

プロローグ

ある小さな町の出来事だった。

よくある平和で普通な町だった。

それが、今はすっかり変わり果てた。

家は燃え、人は泣き叫び、爆音が鳴り響く。

その中で、ある男の子が地面に倒れていた。

まだ幼いその子は頭から血を流し、火事によって苦しそうに短く呼吸を繰り返していた。

ーーーもうだめだ……。と、彼は思った。

その時、彼の目に光が入ってきた。

黄色く輝く光が空から差し込んできた。

彼は霞んでいく視界の中に、光の中から五人の人影が出てくるのを見た。

そこで彼の意識は途絶えた。


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