第35話 即堕ち2コマ
茜が超直感とかいうチートスキルを持ってることが判明した。
『で、ナターシャはどうするの?』
『くっ、私はそんな誘惑に屈したりなんかしない!』
『ふはは! すばらしい精神力だ! だが、お前の知的欲求の方はどうかな?』
『うっ、うぅ。こんなの、いけないことなのに、でも、だめっ、この気持ち、抑えられないっ』
はい。
見事な即堕ち2コマいただきました。
『ス、ステータス……』
ぼそっと呟くナターシャ。
静寂が広がる。
『な、なんで!? 何も出ないんだけど!?』
『声が小さかったんじゃないか?』
『えっ!? 本当に声量が関係してるの!? 嘘でしょ!? 私に桃井さんみたいに大きな声でそんな恥ずかしいセリフを吐けと!? 卑劣な!!』
『いや誰も強制してないが』
うーうー唸るナターシャ。
めちゃくちゃ葛藤してる。
まあその気持ちはすごい分かる。
ある時期を過ぎるとこの手の単語に並々ならぬ羞恥心を抱くよな。
俺だって言いたくないもん。
……ん?
一つ、思ったんだけど。
『……ナターシャって、黒歴史抱えてたりする?』
『か、かかかか抱えてないわよ!! 憶測でものをいうのはやめてくれる!?』
『あ、うん。そっか。ごめんな』
『あったかい目で見るな!!』
そうか。
ナターシャはそういう時期を経験してきてるのか。
一度卒業しているがゆえに戻りづらい。
『その気持ち、すげーわかるぜ』
『カ、カズマもそういう妄想してたの?』
『いや俺は全然』
『裏切者ッ!!』
はっはー!
問うに落ちず語るに落ちるとはこのことだ!
まんまと引っかかりやがったな。
『うー! もう、いいわよ! ステータスッ!!』
恥をかなぐり捨てた感じでナターシャが声を荒げた。
『うわ、私のステータス、低すぎ?』
『レベル1なんてみんな低いだろ。ちなみに俺は一番高いステータスでも7だった』
『うわっ、それは悲惨ね』
『うるせえ』
ナターシャはあれだろうな。
へーん。
いいもんねーだ。
今となっては1400超えてるもんね。
『待って、今7
「さーて。ナターシャは珍しいスキル持ってないみたいだし、ダンジョン攻略始めるかー」
『話を聞きなさい!』
てい! とナターシャが手刀を入れてくるけど、ステータスに差がありすぎて猫パンチ食らったぐらいにしか感じない。
猫パンチって、打撃ダメージより斬撃ダメージの方が痛いよね……。パンチ打った後に、あいつら爪で引っ掻いていくんだ……。
『俺のステータスは内緒』
『うー、わかったわよ。じゃあ一つだけ聞かせて』
『なにさ』
『ダンジョンが現れる前、テロリストがモールを占拠した時。カズマは既に、レベル上げを済ませていた。そうよね?』
確信を持った様子で、ナターシャは問いかけた。
なんとも答えづらい質問だ。
最初、彼女は俺がダンジョンの発生に関係している可能性を疑っていた。いったんは見逃してもらった話ではあるけど、、ここで俺が肯定で返すとその疑問は再び膨れ上がるだろう。
『……ねえ、本当に、カズマって何者なの?』
いや、既に猜疑心は育ち始めてるかも。
『通りすがりの一般人Fだよ』
『あんたみたいな一般人がいてたまるか』
えー。
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