カクレユメ~かくれんぼは夢の中で~

創造執筆者

第1話 プロローグ

かくれんぼに関する都市伝説は様々だ、聞いたことがある有名なものであれば、ひとりかくれんぼがよく知られているだろう。


では、カクレユメは知っているだろうか?カクレユメとは夢の中で友達とかくれんぼを行うことができる方法である。


やり方は簡単で、紙にかくれんぼを行う友達と自分の名前を書き、全員の髪の毛を一本ずつ、名前を書いた紙で包みこみ、それを燃やす。


後は燃やした灰を集めて布に入れ、枕元に入れてから眠りにつくだけである。


すると、その日の夜、夢の中で名前を書いた友達と見知らぬ土地で出会うことができるという。


当初、このカクレユメは寝ている間も友達と遊ぶことができ、夢から目覚めても遊んだことによって疲れることもないなどの理由から子供たちの間で瞬く間に広がっていった。


それもそのはずだ、まだ遊び盛りの子供たち、夢の中でも遊べるとあれば遊びたくなってしまうのは当然のことであろう。


もちろん、このカクレユメに関しては子供たちの親も知っていた。しかしながら、この話を信じる大人は一人もいなかった。


これには理由がある、カクレユメを行えるのは15歳未満の子供だけなのだ。15歳以上の人間が同じ方法でカクレユメを行っても夢の中では誰にも出会うことができず、ただ眠るだけなのである。


そのため、大人たちはカクレユメとは子供たちの間で流行っているただの遊びだろうと考えていた。


しかし、ある時子供たちが一斉に目を覚まさない事件が起こった。目を覚まさない子供たちに共通していることは枕元に灰が入った布を置いていることだった。


そう、彼らは皆、カクレユメを行っていた子供たちだったのだ。彼らが目を覚ますことができない理由はただ一つ、カクレユメのたった一つの禁忌を犯してしまったからだ。

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