第1789話 帰宅

「お父さん、帰ったよ。

ってヨシノブ、なんでこんなとこに!!」

入口が開いたかと思うと懐かしい声が聞こえてくる。

「おーアスカちゃん久しぶり〜常連の俺が来るのはおかしいか?」

「だ、だって、王様になって、神様になったって聞いたし、

こんな田舎の食堂に来る事なんてないだろ?」

「こんな田舎って、俺にとっても故郷だし。」

「でも!でも!美味しいもんだって沢山食べれるんだろ?」

「アスカちゃん、ここも美味しいって。」

「そうだぞ、うちの飯は最強だって、お前も言ってたじゃないか。」

「お父さん、それはそうだけど。」

「そうだぞ、リュウタさんの飯は美味いぞ。」

「ヨシノブも!あーなんで!!」

アスカは混乱しているようだった。


「まあまあ、お茶でも飲んで落ち着いてください。」

カルラは混乱するアスカにお茶を手渡す。

「ありがとう・・・って!カルラちゃん!!」

「はい?カルラですけど。」

「そ、そのファンです!サインしてください!」

「良いですけど。何処にしましょうか?」

「あの、えーと、お父さん、何か書くもの無い!」

「いきなり言われてもなぁ・・・」

「早くお父さん、こんな機会めったに無いんだよ!」

「アスカちゃん落ち着きなよ、サインぐらいならいつでも良いよね?」

「はい、おとうさんのお知り合いの方にならいつでも良いです。」

「お父さん?ヨシノブがお父さん?えっ、えっ?」

「アスカ、帰ってきたなら料理を手伝え、そこの小さな嬢ちゃんにジャンボパフェを作るんだ。」

「ジャンボパフェって、こんな小さな子に?

お父さん絶対食べきれないと思うんですけど。」

「食べれるのよ、カルラなら。」

「シモが頼んだんでしょ!」

「大丈夫だよ、カルラ、残しそうなら俺が食べるから。」

「えっ、おとうさんが私の残りを?そんなのダメです。」

「そうだよ!カルラさんの残り物なんて、そんなごちそう、ヨシノブが食べるなんて、ダメに決まってるよ。」

「アスカ、良いから作ってこい。」

「はーい、すぐ作ります。」


「リュウタさん、アスカちゃん何か拗らせてない?」

「東京でアイドルにハマってるって聞いたけど、まさかヨシノブの娘にハマっているとは思わなかったな。」

「驚きですね。

そうだ、お店に色紙飾りますか。」

「色紙って、アレかい、有名店に飾ってるようなやつだよな。

うちみたいな田舎にくる芸能人は中々いないから、有ると嬉しいな。」

「決まりですね、カルラ色紙にサインとお店の名前とお礼を書いて貰ってもいいかな?」

「それならおとうさんも一緒に書きましょう、きっと私達のサインより貴重ですよ。」

「そう言っても俺は芸能活動してないけど?」

「大丈夫です、きっと皆さん驚いてくれますから。」

「驚いてくれるなら有りか。」

俺はカルラのすすめるまま、色紙にサインとお礼を書き込むのであった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る