第623話 戦争開始


「マックス様!お話があります。」

「カルラさん!な、なんの御用でしよう。」

いきなり訪ねて来たカルラにマックスはドキドキしている。

もうすぐで夜ということもマックスのドキドキを加速させる要因でもあった。


「私達の戦力も到着しましたので早く町を落としてしまいましょう。」

「えっ、ああ、その事ですか、大丈夫です、逃さぬように布陣が完成したら・・・」

マックスは一気にテンションが落ちる。

期待した言葉とかけ離れていたのだ。


「それでは遅いのです、マックス様が動かないなら私達で始めます。」

「いや、それは・・・」

「失礼します。」

カルラは言うだけ言ってマックスの前から立ち去る。

残されたのはカルラに失望されたと思い、泣きそうな顔のマックスだった・・・


カルラはロンメルの元に向かう途中ズルに出会う。

「これはカルラ様、本陣に御用でしたか?」

「ズルさん、私達はこれより町に攻撃を仕掛けます。」

「カルラ様が望まれるのでしたらビザ兵はこれより攻撃に移ります。」

ズルはカルラに意見することなく、受け入れる。


「最初の攻撃は私達が致しますので、私が指示するまで待機してください。」

「わかりました、カルラ様の意のままに我らをお使いくださいませ。」

ズルは急ぎ配下を集めいつでも戦えるように備えるのだった。


「ロンメル、町の後方に回り、町を吹き飛ばしなさい。」

「いきなりだな、もう夜になるがいいのか?」

「いいんです、明日なんて待てません!私は早くハルくんに会いに行くんです。」

「了解だ、俺も長々時間をかける気はない、全員戦闘だ、気合を入れろ!!」

ロンメルの指示に全員が戦車に搭乗する。


「カルラのワガママに付き合う事になるが、全員準備はいいか?」

ロンメル隊の隊員はカルラの事情は知っているが、まさか会いたいだけで強硬手段に出るとは思っていなかった。

だが気持ちはわかる為に全員付き合っている、それをロンメルが冷やかすように言った為に各所で笑いが起きていた。


「もう、みんなも早く帰りたいでしょ!」

カルラは文句をいうが笑いが増すだけだった。

「さて、カルラさまの命令も出たことだ、攻撃を開始しますか。」

ロンメルもクスクス笑っていたが、雰囲気を変え、気迫の籠った声を響かせる。


「全員、傾注!

我々は父ヨシノブの仇を討つ、二度と愚かな者がでないよう、この地に地獄を作れ!」

「おおぉぉぉ!!」

隊員全てが応える。


「各自標的合わせ・・・

撃て!!」

ロンメル率いる戦車隊の砲身が一斉に火を噴いたのだった。

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