第93話 ショウの旅立ち
施設を整え、ひとしきり落ち着いた所で、俺はショウを呼び出して二人で話をする。
「ショウくん、呼び出してすまない。」
「いえ、ヨシノブさん何でしょうか?」
俺はトートの話からわかった事を話した、
「全員は無理ですか・・・」
「今の所の情報だとね。」
「それなら女の子だけでも帰してあげたいですね。」
「君ならそういうと思ったけど、いいのかい?」
「正直に言うと帰りたいですよ。でも、優先順位を考えていくなら・・・」
「そうか、まあ、今後情報を集めてになるから、みんなが帰れる道を探すよ。」
「はい!・・・でも、ヨシノブさんはどうするのですか?」
「俺はこの世界に残るよ、日本では死んだ身だしね、そもそも帰れるかも怪しい。」
「そんな・・・」
「ショウくん、かなしそう顔をするなよ、俺はこの世界で自由に生きる力もあるんだ。
日本より幸せかも知れないぜ。」
ショウは複雑な表情を浮かべていた。
「とにかく情報収集を行う必要がある。
そこでショウくんには情報収集をお願いしたいんんだ。」
「僕がですか?」
「ああ、本来まだ子供の君に任せるのもどうかと思うが、俺はこの基地を暫く離れられそうにないし、手分け出来たらその分多く情報が集まるだろ?」
「僕に出来るでしょうか?」
「ショウくんなら出来ると思っているよ。どうだいやってくれないか?」
「お、お引き受けします!」
「ありがとう、でも、そんなに固くならなくてもいいよ、先ずは船の運用から慣れていこうか。」
「は、はい!」
「ショウくんにミサイル護衛艦のまやを預ける、これでマインズ王国と往復してもらう、まあ、商品の輸送もかねてになるけど、これで慣れてみようか?」
「わかりました!」
「それと誰か信用出来る人はいるかい?ショウくんの副官として一緒に行ってもらおうと思うけど。」
「・・・ミキさんと一緒に行きたいです。」
ショウは少し顔を赤くしていた。
「へぇーいつの間にねぇ~」
俺はニヤニヤ笑いながらショウに質問する、
「そ、そんな関係じゃないです!ただ彼女なら信頼出来ると思って・・・」
「わかったよ、からかわないから。
ミキちゃんでいいんだね?」
「はい!」
ショウの返事を聞いて、俺はミキを呼ぶ、
ショウも同じ部屋にいた。
「ヨシノブさん呼びました?あれ?ショウもいるの?」
「呼んだよ。ミキちゃんに用事というか頼みもあってね。」
「何かな?」
「ショウくんと一緒に情報収集を行ってくれないかな?」
「情報収集?」
俺はミキにも説明をする。
帰れる人数は隠してだが・・・
「へぇーでも、私がついて行っても足手まといじゃないかな?ショウの迷惑になりたくないよ。」
「そんな!足手まといなんかじゃないよ!
僕にはミキが必要なんだ!」
「ショウ!」
ショウとミキは抱き合っている。
「ゴホン!二人ともそういうのは後でしてくれないかな?」
俺に言われて二人は恥ずかしそうに離れる。
「あーミキちゃん、君にも自衛隊装備を使えるようにするから足手まといにはならないよ、ショウを補佐してくれるかい?」
「はい!ショウの為になるなら頑張ります!」
「いい答えだね、ショウと助け合って頑張って欲しい。
俺の副官任命を受けてくれるかい?」
「わかりました。」
こうして、俺はショウを隊長に別動隊を編成する。
まやに乗艦するのはショウをトップとして、副官にミキ、兵士の指揮官にルクスの紹介してもらった、マロニーについてもらった、
ルクスに紹介されたマロニーは救援活動をしている時からショウの近くで働く事が多く、ショウ達との仲も良かった事から、
俺も適任と思い、直接頼むと、
「マロニーさん、ショウとミキの事をお願いします。」
「お任せください!このマロニー命をかけてお守りします。」
快く引き受けてくれた。
そして、マロニー傘下の兵士百名がショウと共に船に乗り、出航する。
ショウの冒険が始まるのだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます