リエルの魔本

群青

オリエンテーション

0. 自己紹介

 えっと、こういうのあまり得意ではないのですが、恒例行事みたいなので。


 私はリエルって言います。出身は西の国、国立第二図書館が最終学歴です。あ、はい。名門なのはそうなんですけど、私はその中でも落ちこぼれっていうか……


 趣味は読書で、特技は……すみません、特にないです。え、それじゃダメ、ですか? ……えっと、じゃあ眠りが深いことです。


 あ、ジュノさん笑わないでくださいよ。ほんとに朝全然起きれなくて困ってるんですから。それじゃ特技じゃなくて弱点よね、ですか? あ……確かに。


 その、なんかグダグダですみません。図書館でも自分なりにちゃんと勉強して、就職活動も頑張って、やっとここに入ることができたので、とても嬉しいです。最初は色々できないことだらけかとは思いますが、精一杯頑張りますのでよろしくお願いします。


 ……アテムさん、そんなに嫌そうな顔しないでください……。出来るだけ足引っ張らないように気を付けますから……。


 ジュノさん、これでいいでしょうか? え、叶えたい夢? ここでの、ですか? えーっと……面接で言った抱負とかでもいいですかね?


 では、コホン。私は見ての通りすぐあたふたするし、一人で勝手に抱え込んじゃって塞ぎ込んだり、色々ダメダメなところも多いんですけど、それでも本がとても好きで。読んでる時も、書いてる時も、時間を忘れられるというか。気付いたら食事とか睡眠とかまで忘れちゃって、呆れられたり叱られたりしたこともあるんですけど……


 と、とにかく! それくらい私は本が大好きで。だからこの仕事で、色々な本と関われたらいいなあと思ってます。その中で、いつか「至上の魔導書」を作る一助になれたら素敵だな、なんて思ってます。夢見すぎですかね、すみません……。


 こんな感じで大丈夫でしょうか? うう、ジュノさんは笑顔でOKしてくれてるけど、アテムさんの視線が怖い……。あ、はいすみません! 締めの挨拶ですね!


 そんなわけで、本日より、中央魔導書管理局、執筆係に配属となりました。リエル・クレールと申します。どうぞよろしくお願いします!

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