第15話諸行無常(しょぎょうむじょう)
平安時代。
平安時代には、やたらめったら怨霊やら妖怪の話が出てくる。400年近く安定した時代が続いた弊害のなのかもしれない。人とは所詮野蛮な刺激を求めるものなんだろう、良く言えば好奇心なのかもしれないが。
平安の怨霊関係なんだろうか。だとしたらえらいものが出てきたな
「あなた私の苗字蒲生の姓がどこからきてるかご存知?」
俺は首を横に振る
「じゃあ
「藤原秀郷と言ったら俵藤太のことですよね?」
アカネさんはうなずいている。
嫌な予感がする。まさか 藤原秀郷といったら平将門の乱を平定した人のはず。
今回の相手は将門公なのか?
一人で青ざめているとアカネさんが
「何が相手なのかわかったかしら。人が相手にできる範囲を超えているわ」
確かにそうだ将門公と言えば日本最強だ。俺なんて小指で吹き飛ばされるだろう
しかしなんでまた舞さんが将門公の不敬をかったのだろうか。考え込んでいると横からゼロが
「馬鹿者そっちではないわ、ムカデのほうじゃ」と突っ込んできた。
ムカデ?とは・・・そうか、思い出した。そっちのほうか、滋賀県近江の国。大ムカデのほうか、しかしそれはそれでちょっと。
確か俵藤太のムカデ退治は三上山だったはず。退治するまでのくだりはあるがその後のムカデについてはあまり伝え聞かない。たしか足を全部むしられたとか。供養塔はあるようだが。あんまり想像したくない。あかねさんの話によると藤原秀郷の子孫だと。で、今になってか前からかは分からないが大ムカデに復讐の機会を狙われていたということか
「なら、普通代々呪いとかかけるんじゃないですかね」俺は疑問を口にした。いくら何でも直接攻撃をしてくるのは考えにくい。
「ムカデ退治を依頼をしたのは竜王でね、その加護があって呪いなんかには耐性があるの」
なるほど、だから埒が明かないから手を出してきたと。
「舞さんが見た黒猫の怨霊と婚約者は?」
「あれはわしじゃ、奴から舞を守ってほしいとアカネからお願いされての、近くについておったのだが、舞はわしに対する罪悪感を利用されての、幻影を見せられておったのじゃ、婚約者の方はムカデが変化したものじゃな」
ということは、あんたが悪いんじゃねえか、神でありながら物の怪の類にやりこめらるとは結果として守れてないし。
「そこはすまん面目ない。まあ奴にとってもわしは復讐の対象であったろうしな。」
ん?一体どういうことだ、ゼロと因縁があるのか?
「昔なアカネがあいつに復讐されそうになった時に身代わりの護符を渡したのじゃ、その護符によって最近まで奴は封印されておったのじゃ。計算外だったのは後千年は封印が有効なはずじゃったんだがの、いったい何のせいで封印がとけたのやら」
平安からの化け物プラス神の封印を解いたやつか・・
俺はシュリーに「ちょっと」と言って二人して席を外す。
「これ俺がやらないといけないの?」とシュリーに言う。
この間の枕返しもそうだけど、ずっと前からいるやつみたいだし、並行世界の俺と関係なくない?とも
「あら、あなたには困っている女性が目の前にいるというのに何もしないつもりなの?」と返してくる。
これ下手したら死ぬよな。俺にもう一度死ねというのか?
「そんなのやってみないとわからないでしょ、だいたいこの間は死んでも未練ないって言ってなかった?」とシュリー
確かにそうだ、そうはいった。だが、なんだろう死よりぶっちゃけ死ぬよりムカデの相手をしないといけないほうが恐ろしく感じる。
その瞬間舞さんの部屋から回収してきた球が急に光りだした。
あまりの明るさに目を開けていられない
気が付くと静寂と暗闇が俺の周りにある。ゆっくりを目を開ける。
周りは薄暗い。が何かが見えてるわけでもない。
「おーい」と呼びかけるが返事はない。こだまも帰ってこない。ここは一体どこなんだ。
俺は何もない空間を歩いた。どちらに進んでいるかもわからない。ただただ体が重く息苦しい。俺は立っていられなくなりそこに座り込んだ。ふと手元になにか這いずるような違和感。
そう、子供のころに経験した感覚。ムカデが手足を這いずっている。気が付くと俺の周りは大量のムカデやヤスデに囲まれている。振り払おうにも体が動かない。
次から次へと俺の体を這いあがってくる。わさわさと嫌な音が聞こえてくる。服の中にも入って腹や背中にも這いずっている。俺あまりの恐怖に気を失った。
「大我、大我」倒れている俺を誰かがゆすっている。
体中にどっぷりと汗をかいている。
「気が付いたの、大丈夫?急に気を失って」
口を開こうとしたが、口が思うように開かない、動悸もひどい。何よりも体が震えている。
「喋れないの?ならゆっくり思って、感じ取るから」
俺は今見た景色を思い返した。思い返しても体に震えがくる
そんな時シュリーの言葉が聞こえた。暖かい日だまりに包まれているような感覚を感じる。しばらくその感覚が続くと少しは状態は落ち着いてきた
「どお、落ち着いた?」
俺は無言で少しうなずいた
「なんてことじゃ、神の前でこのような精神攻撃をしてくるとは。
おそらく、おぬしの負の感情に球が感応して攻撃してきたんじゃな」
ゼロがそう説明する。
「あそこを見てみろ」
といってゼロが指さす先には、ムカデがいた。そのムカデを見た瞬間
俺は恐怖で動けなくなった。恐ろしさで呼吸ができない。
今まで嫌いでだったが動けなくなるほどひどくはなかったはずだ。
「おぬしに完全にトラウマとして植え付けられたんじゃな」
そして俺は再び気を失った。
世のすべては、移り変わり、生まれては消滅する運命を繰り返し、永遠に変わらないものはないたとて 平家物語の書き出し
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