落下


 泣かないでほしい


 これ以上 耐えられそうもないんだ


 わかってほしい


 ホントに消えるのは僕なのに 僕からはキミが消えるんだね


 おかしな気分だ


 遠のく空


 近づく影


 迫り来る地面


 小石


 門だと、そう思った


 恐ろしく巨大な門


 ……冷たい


 ……とても冷たい感じがする


 ふと、


 誰かに名前を呼ばれた


 その瞬間、僕は門をくぐっていた


 どうやら 体は持っていけないらしい


 無惨に朽ちる 抜け殻


 僕は ありがとうと相棒に手を振る


 そして


 消えてしまった 僕の大好きだった人に


 ありがとうと 呟いた

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