1 主任研究者輸送計画
――此処は国際魔法研究機構、通称【IMRO(インロー)】とよばれる魔法科学研究の粋が集められた場所である。
そこには世界各国から魔法科学研究を専門とする研究者が集い、日夜新たな技術の開発が行われている。
これは【IMRO】史上最大の、命題とも言える研究に挑んだ科学者達の物語である。
――西暦2666年8月某日、【Dimensional(ディメンショナル)excavation(エクスカーヴェイション)・
「はぁ……結局は出力が足んないのかしら……でも上げ過ぎても結局それに耐え切る方法は無いし……観測する前に
――現在時刻14時23分、ティエラは研究に行き詰まり、ただただ途方に暮れていた。否、平たく言えばサボっていた。
――コツコツコツコツ
エレメンタラード社の新作、ゴレニウムシューズは
「またここか……皆お前を待っている。早く戻れ」
「……イヤよ、戻ったってどうせ結果は変わらないわ」
「そういう問題ではない、お前の権限無しでは
「だから何?
「
「はぁ……エド、あんたってどこまで堅物なのかしら」
「家でケムが待っている。テストを終えなければ帰れない」
ティエラがサボり、エドワードが連れ戻す。これは【DE】研究チーム結成後からの慣例となっている。
「あんたんとこの犬なんか知らないわよ」
「そうか……わかった。ならばこうしよう」
「な、あんたちょっとやめなさいよ! 放しなさいってば!」
エドワードはティエラを肩に担ぎ上げ、足をバタつかせて抵抗する彼女に1つ溜め息を吐く、エドワードはやれやれと首を振ると、再び今来た道を戻り始めた。
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