第13話 祈り



日が沈む方向に向かって祈る人がいる

両手を合わせて


今日一日

特別に良いことがあった訳でも無い

大きな悲しみがあった訳でもない

それでも少しばかりの苦労はあったかもしれない


西の空に向かって両手を合わせる人


自分にも訪れて去っていく一日に

喜びと感謝を込めて

沈み行く光に向かって


笑顔で両手を合わせて祈る人

太陽は一日の最後の光で

祈る人を包んでいる


その場所は輝く

舞台で当たるスポットライトのように


光は誰にでも訪れるのに

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