第6話 注文ーVer.ふぶきー

「な、何か飲みますか?」


しゅんすけさんも緊張してくれているで、最初かみながらもそう言ってくれた。


どれにしよっかなぁとメニューを見る。


〇〇のカクテル。△△の◇◇風。

うっわぁ、どれもすんごいおしゃれ。



「…………。」


私はいかにもオシャレそうなメニューに集中してしまって、お酒も飲めないくせに考え込んでしまう。


ちらっとしゅんすけさんの方を見る。

緊張を隠しきれなくとも、にっこりと微笑んでいるご様子。


私が今まで会ってきた男の人は、悩んでると「まだ?」とか急かしてきた。そこまで露骨じゃなくても「僕は決まったよ」とにっこり微笑んだりと間接的に圧をかけてきた。


でも、彼は自分のが決まっているだろうに、微笑んで何も言わずに待ってくれている。


優しい人なんだなぁと思いながら私は、


「オレンジジュースで。」


そうつぶやいた。

お酒が飲めないのは少し恥ずかしいのでうつむき気味で。


二十歳になったときは、飲んでみようと思ったけれど、周りの子達が酔っ払っているのを見て、なんか怖そうと思いそれ以来無縁だ。


いわゆる食わず嫌い。今回の場合は飲まず嫌いかな?


私がそんなどうでもいいことを考えている間に、しゅんすけさんが注文をしてくれていた。

何も声をかけずに、ただ小さく微笑んでいる彼の姿が、ちょっとだけカッコいいなと思った。





 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

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