「1話で終わる物語(短編集)」

曲家 ユウキ

「〜人桜〜桜の中の溜まり場」異界の桜

皆さん桜は好きですか?


私は好きですよ。


って、私の話は、どうでもいいですよね。


桜は綺麗で美しい。


ですが、薔薇の様にトゲがある。


この話はそのトゲについて考えた異世界の桜の話です。


「異界の桜」


この桜は、ある人が高い山の頂上に植えたと言われています。


では、なぜ「異界」と呼ばれているのでしょうか?


一つ目

それは、その山は絶対に人が登れる山では無いから。


二つ目

「異界の桜」が咲いた日は数多くの子供が次の日には消えているから。


三つ目

「異界の桜」は4ヶ月を周期に咲くから。


このようなことから「異界」と呼ばれる様になった。


ある日、とある樵達と桜を調べたいという研究者達がヘリを使い、山の頂上についた。そして鋭い斧で桜に当てた。


すると、桜に当てたところから真っ赤な血が出たという。


研究者達が「発見だ」と言い、その血を持ち帰った。


調べてみたところ、その血は混ざった血だと判明された。この時間流は3923年のため、血が混ざったものだと判明する事は簡単にできる。そしてその血が子供が持つ特有の血ということも。


研究者達はその血を「異変突桜血」(いへんとつおうち)と呼んだ。


ある日にある研究者の前で子供が落ちた桜の花びらを口に加えた。その子供はみるみる消えていき、桜の方を見ると桜は少しずつ大きくなっているように見えた。


その事を研究者達に説明した。


桜の事に集中していた研究者達は大抵信じた。


それから研究者達は警察や自衛隊等に赴き桜の事を説明した。


警察達は近くの町に避難を呼び掛けその場には人が一人もいなくなるようにした。


市民の反感を買ったが警察は黙秘してくれた。


それから10年。「異界の桜」は大きくなるばかりで何も変わらずじまいだった。


一人の研究者がこう考えた。

「桜の花びらを口にいれなければもう大きくならないはず。花びらが落ちる所には呼び掛けたし、もしもその場にいるだけで消えるのであらば納得はいくんだがな~」


この言葉には研究者達は信じてはくれなかった。


が、その時にそう考えた研究者がみるみる消えていった。


研究者が消えると他の研究者達がそうかもしれないと悟った。


だが、それを悟るのはおそかったということも悟った。


なぜなら、もう研究者はその桜の糧になっていたのだから。


それからもう、その世界には人が一人もいなくなった。


その世界に残っているのは人が作った建造物と人以外の生物等。


そして世界中の人を糧とした大きな

「異界の桜」だったようだ。


人は桜に負け、桜は人の上に立った。


この桜は歳の小さい者から人のみを糧にしていく。


こんな桜がこの世界にあったら、

私達人間に対してどんな物になるでしょう。


それは、皆々様のご考えにお任せします。

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