(二)-10

 彼とはやることはやっている。確かに学生時代よりは回数は減った。付き合い始めたときは毎日だったけど、徐々に回数は減っていった。それでも今でも週に一回はしている。だから彼がデリヘル嬢を呼んだりすることはないハズだけど……。それとも、私が飽きられてしまったとか……?

 ともかく翌日は土曜日なので、彼を問い詰めて確かめようと思った。あれは一体誰なのか、と。

 そうして私の心の暗雲は、まるで真夏の積乱雲のようにぐんぐんと空高くまでたちこめ、時間が経てば立つほど私の心に覆い被さる面積を増やしていった。


(続く)

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る