宝石ひととせ

卯月みお

8月

8月1日 レモンキャンディ

「おはよ!」

「⋯⋯はよ」

最近挨拶が素っ気ない。前は明るく返してくれたのに何で?

「ねえ⋯⋯」

私が問いかけようとした時、何かが口に入ってきた。

「ひっでえ声。昔から疲れるとそうなるよな。これでも舐めとけ」

少しはにかんで、のど飴の小袋を見せる。

口の中にレモンの風味が広がる。恋の味だった。


誕生石 シトリン

石言葉 初恋の味

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る