悪魔的薬剤師結衣②
なんやかんや今日も寒い。いつもいつも寒いんだよ本当によぉ
今日は土曜日でニートの俺はモコモコの寝巻きをきて寒さを凌ぎっている。
リビングであぐらをかきながら座ってテレビを見ていた。
「今日の最低気温は5℃になるでしょう、寒いですねー今日でかける方は厚いコートなどを着るようにしましょう」
とテレビの天気予報のお姉さんがそう言っていた。
「はぁぁ?5℃は寒すぎだろ」
寒がり(俺)にとっては死活問題だ。
「そんなに寒いなら結衣がぎゅってしてあげますよぉ……ギュッ」
「うっ……おい結衣おm…ちょっと体勢がきつい」
急に上から結衣が覆い被さるように背中にダイブしてきたのでその力のまま俺は背中を丸める。
あと、重いと言いそうになったのは気のせいだ。
重いと言ったらこの変態は喜ぶだろうが、女の子は女の子俺にもし彼女とかできたらその刹那俺の首は吹っ飛ぶだろう。
「いいじゃないですか、お兄様寒いのでしょう結衣とくっつくとあったかいですよポカポカですよ?」
一旦俺から離れてくれた。あぁ体勢を戻すのに腰にくる。もうそろそろ歳だわ。
それはそうと、なんで俺が結衣と抱きしめあって温めあわないといけないのか。
「そんなわけ……え?結衣寒くないのその格好?」
おいおい、最低気温5℃って言ってじゃん。
結衣はその気温と明らかに見合わない格好をしていた。タイツなしでひらひらのワンピースを着ていた。水色のワンピースだ。
「結衣はお兄様にどうしても触られ……寒さなんて気にしてる場合じゃないのです!お兄様もこんなお姉さんみてらずに結衣のこと見てください!」
結衣はテレビに映っている天気予報のお姉さんを指差す。
「こんなお姉さん言わない」
自分の好き嫌い関係なく、天気予報のお姉さんとかニュースのお姉さんとかみんな綺麗だと思う。
「っ……お兄様はこのお姉さんの味方なんですか!?やっぱりこういう女性がタイプなのでしょうか?!」
「いや、別にタイプってわけじゃただ綺麗だな…と」
プンプンとなっている結衣がいるがここでヨシヨシしたら調子に乗る子だからほっとくのも手段だろう。そろそろお兄ちゃん離れしてもいい時期なのだがなぁ。まぁもう遅いかもしれないが。
「そ、そうですよね!お兄様のタイプはこの結衣ですもんねならいいです」
そう言って結衣は台所に行った。
その自信はどこから?と思ったが言わなかった。
テレビを再度見てご当地の名物の紹介を見ていた。
俺のところなんてなんもねぇからなぁ
そんなこと思っていると
「さぁさぁお兄様」
そう言いながら結衣が、あったかいお茶がのってるお盆を持ってきた。
「あ、ありがとう」
「いえいえ…寒そうにしてるので……はいどうぞお兄様……んっ」
リビングにある、机に俺のお茶が置かれた。なんだ最後の結衣の声。
「あっす……大丈夫?」
「お兄様どうぞ……えへへ」
どうしたんだ一体って言いそうになるくらい結衣がニヤけている。ニヤけを抑えようとして頬がピクピクしている。
変な結衣と思いながら片目に俺はズルズルとお茶を飲んだ
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