甘いいも

「お兄様ぁん.......はぁぁいい身体ですねぇぇぐへへ」


夜中といっても1:30という俺にとってはど深夜に艶々しい声とともに起きてしまった。


「好きぃ........」


お腹の方に、誰かにホールドされてる感じがあった

言わずもがな、そいつの正体は結衣だ。

俺は、かまわずいつものように結衣の方向を見た。

ほんと毎度のことで呆れてくる俺のどこがいい身体なのか全く理解できん。


「おい.....結衣ぃぃぃいいぃ?!何してるんだぁぁ!!?」


あろうことか、結衣が下着姿だけで俺を抱きしめていた。

そんな結衣を反射的に無理矢理離してしまった。


「ひゃっ.....お、お兄様?そんな乱暴なのもいいですぅ」


「何で...」


「ん?なんですかお兄様?結衣を見て興奮してシたいんですか?いいですよ!是非いますぐしましょ?」


「何で裸なんだよぉ!!!」


ポン...............ポン...............ポン

と一休さんが考えてそうな時に聞こえる音が三回し、結衣が喋り出した


「...............ん?」


「ん?じゃねぇーーー!!」


普通なんかこう、閃いたことを言うんじゃないの??

いや、閃いてほしくもないんだけど。


「だって......お兄様の前では正装の方がよろしいかと思いまして」


「...........結衣はそれが正装です、そう言いたいのか?」


このど変態め、俺は恥ずかしすぎてはしてないが恥じらいを1つも持ってない今も俺に向けて上とした下の下着どっちも見せびらかしたままで隠そうとすらしていない。

見せつけて、目に焼き付けて欲しいそんな気概さえ感じられる。


「これが正装ですよ?お兄様ったらご冗談が上手いことです......元々お兄様が結衣に言ったんでしょ?」


何を言ってるんだこの妹は


「何も言ってないし、そもそも俺がそんなこと言うわけがない」


「え........お兄様言ったじゃないですかぁ」


ウルウルとした目でうぅとベットの上で近づいてくる。

くそ、この結衣のいい匂いなかなか慣れない。

思わずそのまま結衣についていってしまいそうになるそんな匂いだ。



「なんて言ったんだよ」


とりあえず結衣の変態ごっこになることにした。

いや、眠たいんだけどね


「おい!お前にはこの格好が一番似合う、さぁ俺の従順なる奴隷として働け!あはっはっ!........と」


「いつどこで」


「夢で」


「夢でかよ!」


「もぅ.....うるさいですねぇお兄しゃまぁ......んっっ」


チュッと音が部屋に響いた


「なっ!?」


「えへへお兄様とのキス.......こんなにも素晴らしいなんて癖になりそうですぅ」


顔が完全に蕩けてやがる、そんなことより俺は、俺が反応するより早く結衣にキスされた。

突然のことでもあるし、一様寝起きだったから反応できなかった。


「.........」


結衣の唇に触れた時の柔らかさ、そして唇が離れる際にペロっと舐められた時の湿り気が残っていてこれ以上のない恥ずかしさが込み上げてきた。


「お兄様ったらそんなに顔を真っ赤にして........そんなに結衣との......キス嬉しかったんですか?」


唇に手を当ててこれでもかと、強調してきている。


「お兄様の欲望の赴くままにしていいんですよ?結衣はお兄様のモノであって所有者ですから」


そんな変態ちっくな言葉さえ、聞こえないほど俺は慌てふためいていた。


(ふふっお兄様ったら結衣のキスにドキドキしてますはぁぁぁ可愛い、可愛いですお兄様ぁそのまま結衣をめちゃくちゃにしてください!)

結衣の最後の切り札、上目遣いで見上げてきた。

乱れた服装に、うるうるとした目、そして自分はあなたのモノだという爆弾発言、これ以上の理性破壊兵器はないだろう。

もう、このエスカレートしたど変態は誰も止められまい。

そうとなれば、俺しかいない。


俺が何かしようと、動こうとした瞬間結衣は懐から手錠をだした。

そして、俺は世紀の大発見かのようにひらめいてしまった。

誘惑した結衣は自滅するのである。


「お兄様ぁ.......さぁこの手錠で結衣を........」


結衣も心なしか眠たそうだそりゃそうだ、今は3:00、健康な高校一年生が起られるにはとても眠気との激しい戦いが必要な時間なのである。

結衣は、そんな眠気も無視して俺を誘惑しているのだろう。

はぁ....手錠なんか出しやがって。


俺は、結衣が出した手錠を取った


「あぁ....お兄様ぁその気になった...のですね......」

結衣の顔は真っ赤だが、瞼は閉じかけいるようだ。

俺が眠らしてあげないといけないわけだ。


そうして、俺は結衣の両腕を1束にして手首にカチャと手錠をロックした


「えへへ.....おにい..さま好きにしてくだしゃい.......へっ?」


俺はそのまま結衣を横にしてあげた


「結衣....もう寝よっか」

早く寝て欲しい、襲わないでくださいお願いしますぅぅ!!

と心に念じながら結衣の頭を優しく優しく眠れ眠れと撫でた。


「おにぃ....さ.....ゆいは..まけ......せん」


「ふぅっ......助かった.....」


妹に襲われると言うことにとりあえず安堵した。

これで昨日の記憶がなくて、手錠は俺が好きでしたとか明日になって言われたくないので結衣の手錠を外した。


はぁ.......ねむた


俺は結衣の方向はなんとなく見ていられなかったので背を向けて意識を手放した。











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