結衣3
俺が中学2年生で結衣が中学1年生の時のことを話そうと思う
「お兄ちゃん〜」
「おぉー、結衣どうした?」
今は給食後の大休憩中でちょうどぼっーとしていたところだった
「えへへ、お兄ちゃんに会いたくて」
「あははっありがとうなまぁ何も面白いことはないけど」
結衣にニコニコと満面の笑みを向けて嬉しいことを言ってくれる
「そんなことないよ?結衣はお兄ちゃんと一緒にいるだけで楽しいから!」
「そうだなぁ、まぁ何にもしないってのもやっぱりだめだから何か話でもするか」
「うん!」
本当に嬉しそうだな.....
妹の結衣は本当に天使だと思う
〜 〜 〜
「あっもうこんな時間」
いつのまにかもうあと5分で授業開始の時間になっていた
結衣のしゅんとした表示から本当に残念がっているのが伺える
「もっとおしゃべりしたかったなぁ〜」
「家でいくらでもできるだろ?」
「いつでもしてたいのっ」
「あはは、ほら戻らないと間に合わないぞ」
周りに見られていないのを確認してから結衣の頭を優しく少しだけ撫でる
「......嬉しいぃ....またね?」
「うん」
綺麗な髪を垂らしながら戻っていく姿を見届けて俺はまたぼーっとしていた
「はぁ、お前もシスコンだよなぁ」
「なんだよ和彦」
ニヒヒとした顔で横の席に座る和彦
「いやぁ〜なんでも」
「まぁ、妹が優しくて良かったよまぁ義妹だけど
死ねとか言われた暁には俺本当に死ねるかもしれないし」
「そういうとこだわぁ」
「だからなんだよ」
「なんでも〜」
「はぁ〜」
俺はため息をついた瞬間にチャイムが鳴り和彦は自分の席へと帰っていった
(俺そんなにシスコンかなぁ?...まぁいいっかシスコンでも何も悪いことはないし)
ここからが正念場で、食べた後のこの国語がきつい!キツすぎる!
「あぁー、えっとぉーー、今日何日だ」
それがおじいちゃん先生でずっっっっとどうでもいいことを自分で言っていてクソ眠たくなる
そしてクラスの3分の1は必ず1回は机に伏せている
そしてその3分の1の中に俺も入っている
(あぁ、もうだめだめだ眠たすぎて授業なんて聞いてられない)
絶賛机に伏せているわけだが、わかってる寝てはいけないのは分かってるんだが......俺の体が目を明かしてくれない
「そういえばなぁ〜わしも小さい頃は書道をやっててなぁ」
普通、賞をとってーーとかいう話になるだが、この人オチがねぇーんだよ!
時間が潰れていいどころじゃないほどどうでもいい話でみんなの目が死んできている
そうだ.....みんな寝てる....いいよねさすがに...がくっ
そしてそのまま寝てしまった
———————————————————————
学校の帰り道和彦と別れた俺は1人で寂しく帰っていた
すると、誰かから後ろから声がかけられる
「お、に、い、ちゃーーーん」
「おぉ、結衣か」
「うん!」
「友達と一緒に帰らなくていいのか?」
「うん、藍ちゃんとはさっきばいばいしたとこだよ」
藍ちゃんとは、顔だけ知っている苗字は聞いたことはないが教えてもらうのもなにか勘違いされそうなのでやめている
けど、結衣くらい可愛い子だった
やはり類は友を呼ぶ。
「じゃあ、帰るか」
ぎゅっと結衣がさりげなく手を握ってきた
「ん?」
「いい....よね?」
そんな顔されたら断れるわけないじゃないか
「いいよ」
「えへへ、お兄ちゃん好きぃ」
「俺も結衣のこと好きだよ」
「嬉しいぃ....」
「俺も嬉しいよ」
やはり、俺はシスコンだったわ
〜 〜 〜
「「ただいまぁー」」
「あら、お帰りなさい」
家に帰ると、お母さんが迎えてくれた
「手洗いとうがいをしてきなさい、おやつ置いてあるから」
「やったぁー!ありがとうお母さん」
結衣と俺は手洗いとうがいをして
机の置いてあるどら焼きと団子3つを前にして座る
「3つだね」
「3つだな」
「ごめんね〜四つ買いたかったんだけどなかったのよ〜」
そっか、じゃあ...しょうがない
「結衣、2つあげるよ」
涎が垂れそうなほど楽しみにしている結衣を見ていると、欲張るのは何か違う気がした
「い、いいよぉお兄ちゃん食べなよ」
そうは言うもののめちゃくちゃ嬉しがっている
「大丈夫だって、結衣好きなんだろ?俺は大丈夫だからほらっ」
言い合いになる前に結衣の皿に乗せてあげた
「い、いいの?ありがとう!お兄ちゃん大好き!」
「団子あげただけだって、大袈裟だなぁ」
「うんん、お兄ちゃんの気持ちが嬉しいの!」
えへっと笑ってパクッと小さな口でお団子を食べた
「そっか...」
俺はどら焼きから食べて、1つの団子を食べて満足した
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