ヒーローが友達

ライチ

第1話

人があまり通らない校舎の裏。

今ここに私とあいがいる。

去年、入学式の日で、あいと同じクラスになり、今高2でこうして仲良い。


あいは、左右などを見る。私たち以外で誰もいないか確認しているらしい。

確認の後、私の目をじっと見つめて、話を始める。

「これから、冬木に見せること、秘密してや!絶対、誰にも言わないで!」

と、あいが真面目に言う。私は、秘密を守れるし、だいたい秘密をバラすのはあいの方。

まあ、意味わからないけど、とりあえず頷いた。


「では、行くよ。あ、あそこ見てや」

あいが散らばってる箱の方を指す。

あいは目を閉じた。しばらくして、手を真上に上げる。

何しているだろうと不思議に思ったら、風が少しずつ強くなってる。それから、あいは、目を開き、手を下げた瞬間

「え?」

私の口から出た一文字と一緒に、目が大きく開いている気がする。

それはなぜかというと


箱があいの手と同じ方向に浮いてる。


「超能力だ」


あいは、私のほうを見て、微笑む。

「うん!すごいでしょう!」


その後、あいは箱を元に戻したら、私は「すごいな」などの反応をした。

そして、私たちは、腰を下ろして、しばらくの時間が無言だった。

その時間、知りたいことをいくつか思い浮かべた。

そして、やっと聞いてみることにした。

「疲れたりしないの?超能力を使ったら。。。」

「ううん。しないよ。でも、大量に使ったことないからわからん。。。」

「そうか」

なら、良かった。でも、どうしても気になることある。

「どこでもらったの?超能力。」

あいは、目を大きくし、私の方を見る。

そして、クスッと小さな手を口に当て、笑う。

何か可笑しいこと言ったかな。。。

と、思ったらあいは、ピンク色の髪を肩にかけながら答えを言う。

「冬木って本当にニュース見ないのね!」

「ニュース?」

「うん!流れ星がたくさん落ちた日あるんじゃん。」

「えー、知らん。。。」

だって、そもそもテレビ見れない。お父さんが再婚した後から見れない。始めて付けたとき、継母がうるさいとか言って、私をパで殴った。テレビを付けただけで殴るくせに、曲を外に聞こえるくらいの音量で流すし、毎日お父さんと喧嘩するし、たばこも臭い。お父さんにとってあの女のどこがいいかわからない。

あ、怒りの魂が出てきた。それでは、現代に戻ろうと。。。


あいは、頭を擦る。伝え方悩んでるかな。

「とにかく、その日空を見た人全員、超能力がある」

「そうか」


なんだかすごいことに巻き込まれてる気分で、時間がすぎる。


そして、夜がやってくる。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る