第3話
第3話
夏樹告白大作戦始動から2週間が経った。つまり今日が本番である。
12月25日。この日は街がクリスマスカラーに染まり街を歩けばカップル達がイチャイチャしている。そんな中夏樹、氷緒、海斗、柚華の4は電車で1時間ほどかけてイルミネーションを見に来ていた。
そんな中夏樹は重大ミッションにひどく緊張していた。
「なつ……。緊張してるのめちゃくちゃ伝わってくるぞ……。」
「仕方ないじゃん。初めてなんだよ告白するの……。」
夏樹は顔をこわばらせながらそう答える。ホットココアを持つ左手は震えている。
そしてその時はやってきた。
side氷緒
12月25日クリスマス。時刻は20時過ぎ。氷緒たち4人がそろそろ帰ろうとしていた時突然夏樹に呼び止められた。
まるで仕組んでいたかのように海斗と柚華は消えて2人きりになった。
「氷緒……。その、今日はありがと。」
何やら緊張した様子で夏樹はそう切り出す。
「もしかしたらもう気づいてるかもしれないんだけどさ……。」
あれ……? 何かおかしくないだろうか……? 氷緒はそう思い始めていた。
寒いはずなのに夏樹の頬は赤くなっている。
「僕さ、氷緒のこと好きだ。」
「え……?」
時が止まったかと思った。氷緒は衝撃のあまり呼び捨てにされたことなんて全く気づけなかった。
気づいたら震えていた。
なぜだか暖かかった。
「ほんとに……?」
氷緒は信じられないと言った表情でそう問う。
「ほんとに。」
優しい声で、表情で頷く夏樹。
「ちょっと待って。一旦たんま。
夏樹が私のことを好き……へへへ……。」
氷緒は完全に自分の世界に入り込んでいた。
「あの……氷緒さん……? 返事を聞きたいんだけど……?」
夏樹は待ちきれない様子でソワソワしていた。
「んんっ。えっと、いいよ……。付き合いたい……私も夏樹のこと好きだから……。」
季節外れなほど顔が暑くなるのを感じながらそう答える氷緒、それを聞いて目を見開き幸福そうに微笑む夏樹。
2人はしばらく幸せな時間を共有していた。
✳︎✳︎✳︎
「じゃあ今日は本当にありがとう。楽しかったよ!」
幸せな時間が過ぎるのはあっという間でお開きとなった。
4人は別れ、それぞれが帰路につく。
物語はこれが始まり。
本勝負は付き合ってから!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます