たのしい心理学
飯田太朗
はじめに
心理学。
多くの幻想が抱かれている学問である。
催眠術。人の無意識に語りかけて思いのままに操る。指を鳴らすと体が動かなくなるとかそういう魔法みたいなものを指しているらしい。
マインドハック。催眠術同様。ただこちらには、多分に他者の自由意思に見せかけるところがあるように思える。さらには「相手の考えていることを読む」意味もあるように推測される。
メンタリズム。知覚や認識の錯誤を利用して人を操る。こちらも他者の自由意思を尊重している(ように見せかけ)こちらの思うままに動かすことに主眼を置いているようである。マインドハック同様、人の考えていることを読んだり、それをネタにある種のマジックのようなことをやって見せる慶応大学理工学部出身の(彼がどのように心理学を学んだかは大いに疑問であるが)人物もいる。
要するに心理学というと「人の心を操る」とか「人の心を読む」とかそういう類を連想される方が多いようである。
少し頭のいい人は「心とは何か?」を考える哲学に似た領域じゃないかと考える人もいるが、近からず遠からず。そもそも哲学が全ての学問の基礎たる学問なので「直径十センチの的に散弾銃をぶちかましました」みたいな話になってしまう。それはそれですごいのだが本質ではない。
本作では筆者の学んだ範囲で筆者の知り得る範囲の「心理学について」を語る。
気の短い方に向けてここに「心とは何か?」について端的にまとめる。多分に筆者の偏見が混じっているがご愛嬌だと思っていただきたい。
心とは?
脳が身体の内外から来る刺激を符号化し後にそれを様々な形で表象する情報処理システムのことである。
最後に筆者の大学と在籍歴について簡単に触れておく。
中央大学文学部人文社会学科心理学専攻。
学部三年、四年時に緑川研究室所属。
卒業論文『自己覚醒と呼ばれる現象とその再現について ~寝坊しないためには~』
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