第2話 過去の僕



 どうやっても、現状を打破する方法が思い浮かばないよ。


 あっちを立てれば、こっちが立たず。


 こっちを守れば、あっちを救えず。


 どうやっても足りない、足りない。

 足りない事だらけで。


 今すぐこの僕を、真っ二つに引き裂いて、別々の事をやってもらえたらいいのにな。


 でも、そんな事できやしなくて。


 ファンタジーなほどありえない状況に、リアルが適用されているから。


 だから、ただむやみで無謀な東奔西走。


 走り続けていれば、いずれは打開策が見つかるはず?


 無理だよ。

 そんな事してる間に、きっとすりきれちゃうよ。


 ああ、今日は雨がたくさん降ってるな。


 雨粒が目にしみちゃうよ、おかげで前が見えないじゃないか。


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