石畳

冬の曙


石畳の道に下駄の音が反響する


カツカツコツコツと


現代では滅多に聞こえない音


何かと思って窓を開けてみれば


着物の人がこっちを向いてニコりとした


不意に恥ずかしくなって戸をしめた


次にそっと開けたとき居なくなっていた


というかそもそもうちの前はコンクリートだろう


夢か現か


でもあの人の顔が忘れられない


魅入られているのかな




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