救世樹


 私を木に例えてみよう


 ありのままの自分としての木だ


 私は鳥の巣になるし


 雨を凌ぐための場所になる


 あるときは資材になり


 あるときは土地を支えるものになる


 やがて大樹となり


 崇められるようになった


 祈ることで世を救うとされた


 しかし、そんな力は私にはない


 ありのままの自分ではない

 

 まるでおしろいを塗られているようだ

 

 でも、本当はどこかで誰かを


 無自覚に救っているかもしれない


 私は私を無自覚に知らない


 ということを知っている


 

    私は何を知っていようか?


 

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