第12話生贄
◇ ◇ ◇
これから『本来』の仕事の打ち合わせだ、少しの時間とはいえ仕事は仕事ピシッと切り替える。アパートから歩いて喫茶店蜜柑に向かう、今日は天気がいい何時もこれなら良いのに……喫茶店の駐車場には市役所の車が停めてある。もう付いてたのかしら?外から見ると店内に飯田君の姿が見える。急いで店内に入る
「おまたせ飯田君」
「あぁ待ってましたよ塚田さん!」
テーブルの上にはアイスコーヒーが二つ用意されている。
「アイスコーヒーで良かったですか? 今日は暖かいですから、勝手に注文しちゃいました」
「ありがとう気を使ってくれて」
ストローで飲む……苦い! こんなにも苦いのこの店のコーヒー! 慌てて砂糖とミルクを足す。
「大丈夫ですか先輩?」
「えっええ! 大丈夫、大丈夫よ」
「早速ですが……」
いくつかの書類を確認して指示を出す。どうということはない仕事だった。コーヒーを飲み干す。
「駄目よこれぐらい自分で処理しないと」
「福祉課から先輩が抜けて色々忙しいんですよ!」
「それにしたって飯田くん! この資料貴方どうやっ……ぁれ……」
視界が眩み身体から力が抜ける
「……っごめん……なさ……い……ちょっ……と」
上手く呂律が回らない
「先輩大丈夫ですか?」
「きょ……もうかえ……る……わ……」
「送りますよ先輩」
飯田君の口元が笑っている? 肩を担がれ車に乗せられる。
「まっ……って……わた」
そこで意識を失った。
何かがスラックスのポケットを探っている、意識が少し戻ってくる。何かを見付けると取り出され鍵を開ける音がする。意識がまた途切れる……投げ出される衝撃で目が覚める。痺れて身体が動かない、飯田君がニヤニヤと笑っている普段こんな顔をしない。周りを見渡す……私の家の寝室!? これはベッドに投げ出されたのか……
「飯田君……何のつもり?」
「あれもう喋れるんですか? おかしいな最後までは起きないって言うから飲ませたのに」
「いい寝室ですね先輩? これから俺とたっぷりと楽しみましょうよ。ホラこのお香を嗅いでください」
「いっいや……来ないで……」
上手く体が動かない、鼻元にお香を近づけられる。目の前が眩んでいく
「先輩とヤレルなんて俺もう最高です! もう良いですよね? 先輩人気あるんですよゾクゾクするなぁ」
「くっ……近寄らないで!」
「おっかしいな〜これさえあれば思いのママとか言ってたのに。 ちょっと失礼」
口を犯すように舌を捩じ込もうとしている、抵抗していると
「すいません一発出します」
飯田が全裸になりそそり勃つモノを剥き出しにする、トクンと身体が疼く幽鬼の物ではない本物の……飯田が私の腰の上に跨がり自ら扱いていく。その動きに呼応する様に全身が疼いていく。溜まった欲望がスーツに大量に吐き出される。その匂いで私の中の情欲に火を付けられる。久し振りの生の性の匂いに密が溢れる。抵抗しても上手く身体が動かない、もどかしくても動けない。マキに念話を送るが上手く出来ない。理性があるうちに集めないと……
「先輩もスイッチ入っちゃいました? 待ってて下さいよ。今からドリンク飲みますんで帰って来るまで楽しみましょうよ」
飯田が何かを飲んでいる。目の色が変わり更に大きくなっている、こちらへ近付いてくるまだ私の理性がある内に逃げないと……既に濡れているのだから。
「先輩? 最近犯さそうになったそうじゃないですか?」
「優しくしますよ……最初は……」
覆い被さると上着を脱がされるYシャツの上から優しく揉まれる
「んっ……ぁ……」
「先輩無理は駄目ですよ素直にね」
ボタンを外しブラが露わになる
「こんなイヤらしい下着つけてたんですね」
昨日マキに見せてから着替えていない。顔が赤くなる、どうやら余計に興奮したようだ彼も私も息が荒くなる。フロントホックを外され押さえていた乳房が飛び出る。満足そうに揉みしだく、私の理性は飛びそうだ……あのお香のせいか
「先輩もう動けるでしょ?」
そう動ける、逃げようと機会を伺っていた。
武器もない、変なお香で理性が壊れそうだ。
だが目の前の怒張しているものこそ五年以上求めていたものだ。ベッドの上で先端を弄ばれ先端を吸われながらスラックスの上から芽を撫でられる。
赤ちゃんのように吸われる度に喘ぎ声が漏れる、今日はグレーのスラックスを履いていたのでシミが既に出来上がっていた脱がされると蜜の匂いが漏れる。
「いやらしい女ですね」
ショーツはもう役に立たない。自ら脱ぎ捨て飯田の顔面にいやらしく付き出す。
「どうして欲しいんですか、挿れて欲しいですか? それともまだ我慢しますか?」
「挿れ……るだけなの……ほら……ここ見て」
膨れ上がった芽を摘みながらを魅せる
「……っ……ん……あっ……」
自分の胸をもみ先端まで丁寧にいじる
「ほら……挿れたいの?……っぁ」
痴態をさらす私に我慢できなくなったのだろう。どす黒いものを突き立てている
「こんなのこんなの我慢できるか畜生犯してやる!!!」
焦らしている間にやっと家にある三角剣を寝室へと集めれた。纏めて横っ腹に叩き込む飯田が吹っ飛ぶ。
「女の扱い方をしっかりと勉強しなさい!」
だがベッドに這い上がって来た。足を捕まれ無理矢理広げられる。
「良いですよ手加減無しです!」
先端が少し入りかけ腰が、浮かびあがりそうになった瞬間リビングからガラスの割れる音がした。
「キョーコ!!!!」
◆ ◆ ◆
バイクを飛ばすキョーコの家まであと少し、さらに加速させる。玄関の前に市役所の車が止まっている。この野郎!! キョーコの霊気を感じる、玄関が開かない! 当たり前かクッソ! リビングに回り込む三角剣が飛んで向かってる先は…………
「ぶっ壊れろ!!」
窓ガラスを槍で叩き割り飛び込む
「キョーコ!!!!」
叫びながら寝室へと向かう、キョーコと男がいるギリギリ間に合った! よねぇ? 多分あれ入ってんのかな〜? キョーコが男の空きをついて突き飛ばし、逃げようとしたが髪を引っ張られ羽交い締めにされている。
「おい! 今すぐキョーコを離せ」
「おっお前こそ、動いたらこっ殺すぞ!」
「やれるもんならやってみ?」
次の瞬間、男の目に結界用の三角剣が刺さってた
「グワッ!」
のたうち回っている
「キョーコ!!」
「マキィ!!」
しっかりと手を繋ぎ抱きしめる。
「ちぃちくしょう! 先輩は俺のもんだ返せよ!」
「うっさい童貞!! いいかよく聞けよ!」
息を大きく吸い込み
「キョーコはアタシんだ!!! 薄汚い手でさわんな!!! 旦那がいようが! 子供がいようが! もうキョーコは誰にも渡さない!!! 繋いだこの手はもう絶対離さい!!!」
力の限り叫んだ。その時歯車がガッチリ噛み合う感覚がした。身体から蒼と紅の気を纏わせ身体は白く光っていた。
「おい、選ばせてやるよ! 穿かれたいか?」『槍が蒼く光る』
「それとも斬り裂かれたいか?」『槍が紅く光る』
「アタシにぶっ飛ばされたいか!!!」
「うわあああああ!」
叫び声を上げながら全裸で向かって来た。
「歯を食いしばれ!! ゲス野郎!」
荒ぶる『憎悪』と『憎しみ』を拳に込めて顔面を殴り飛ばす。吹っ飛び男は気絶した、まぁ起きても暫くは再起不能だろう『呪い』を掛けたから。
「キョーコナイスアs……ん!?」
キョーコが恍惚とした表情で腰を抜かしてアタシを見ている。
「マキ……」
ヤバい雌の目をしている
「何か服着ろって」
胸の前で指を組んでいる
「マキ……もう一回言ってお願いよ」
太腿を擦り合わせている、いかん
「あぁ後でな!! あっごめんリビングの窓また割っちゃって、あ〜警察も呼ばないと!」
腕を掴み
「ねぇ……」
そんな甘い声で言われても、仕方ない……
「キョーコ今日は夜警は無しだそのかわり……」
其処まで耳元で囁くとキョーコは失禁しながら果てた。良くはないけど取り敢えずこれでよし!
変態は裸のままで縛り付ける。キョーコに適当に服を着せてリビングのガラスを片付けて……
さて通報しますかね……
数十分が過ぎてやっと警察が来たのでキョーコを叩き起す。
「だっだいじょうぶだから!」
「しっかりしてよね」
変態を警察官に突き出し逮捕されていく。強盗、強姦ってところかな?
キョーコの家を捜査するという事で床を拭いておいて良かったと安心した。
部外者立入禁止となったので外で待っていた。夕方になり、ガラス屋がもう来てる……すみませんそれやったのアタシです。
「マキ入って」
「あいよ〜結界張り直しときなよ?」
リビングでキョーコから話を聞く、薬の瓶とお香ねぇ……取り敢えず袋に入れておく、これ手掛かりになるんじゃないかなぁ?
「マキ帰りましょう?」
「キョーコの家ここだよ?」
「今は違うから……」
「行こうか?」
キョーコの手を取り後ろに乗せてアパートを目指して帰って言った。
■ ■ ■
今度は失敗か……覚えて置きなさい。何時までもそうやって抗えるかしら?
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