第7節
陶次郎「泊りがけ・・・となると、自己紹介ももう少し詳しくできると思うんだが、どうだ?おれも宇橋ちゃんと知り合って1年経つけど、知らない事結構多いし。」
隆静「まぁ、衆人の前では言いにくい事もあるしな。特に俺の場合。」
陶次郎「勿論、言える範囲で良いんだぞ?」
食事を終えた俺達は、こういう流れのもと、互いの家族についての話に花を咲かせる展開へとなった。何故今日俺の家に来たのかという、本当に話したい事は一旦後回しだ。俺は我慢のできる忍耐強い男だ。今は女だが。でも中身はまだ男かな。微妙なところだ。
陶次郎「まぁ、先ずはおれだな。言い出しっぺやし。」
怜六「ん〜・・・まぁ、そうなるよな。」
隆静「ん?怜六くん、どうしたん?」
怜六「いや・・・。付き合い長いオレやからってのが主因なんだろうけど、トッチィの自己紹介ってさ、物凄ーくウザく感じるんの。だから身構えとかなきゃ、って。」
隆静「なんだそれwww でも確かに、知り合って1年経つけど、言いたい事は分からんでもないな。過剰に謙虚っていうかさー。」
怜六「そうそう。もっと自分の事を誇れば良いのに、って考えるとめちゃくちゃイライラしてくるんよ。初めて会ったのが3歳の時からやから、14年弱、ずーっとこの調子。」
隆静「うわぁ・・・。」
怜六「めちゃくちゃ良い奴だし、一緒にいてクソ楽しいんだけど、だからこそ不満のというか・・・。」
陶次郎「・・・おーい。そういうのはせめて本人のいない所で言ってほしいんだけどー?」ニコッ
・・・えっ?普通逆じゃない?
怜六「・・・・・・すまん、言い過ぎた。」
あっ、そこはスルーなんだ。
陶次郎「・・・・・・というわけで改めて自己紹介なんだが、舶陶次郎だ。誕生日は3月17日。出身は京田辺市・・・・・・だと思ってたんだが、最近になって2歳まで生駒市に住んでたって事を親から知らされた。」
怜六「あっ、そうなんだ。そりゃ2歳の頃じゃあ物心ついてねーし、分からんか。でも、なんで最近になって?」
陶次郎「うちの高校、修学旅行先が海外の事が多いじゃん?特に今年はコロナ禍明けやし学校側が奮発するやろと踏んで、前もって先々週にパスポートの申請をしといたんよ。その際に住民票を見てさ。」
怜六「あー、なるほど。あるあるだねー。」
隆静「あるあるなんや・・・。」
海外旅行なんて行った事の無い俺にとっちゃあ、パスポートって縁のない物だったが、取得の時は色々と覚悟が要るかもしれねーな。婚外子だし。
怜六「でもなんで引っ越したんだろうな、トッチィの両親。転勤があったとかか?」
陶次郎「それがさー、全然教えてくれねーのよ。はぐらかされるっつーか。母さんは奈良市で、父さんは橿原市で働いてるから、寧ろ通勤長くなってるし、そもそも転勤してないから、親の都合じゃなさそうなんよなー。」
隆静「なんか怪しくも感じるし、大袈裟に汲み取ってるともみえる言い方だな。親以外の親戚に聞いてみたりとかした?」
言い終えたあと、自分の発言にかなり驚いていた。他人の家族の話を聞くだけで嫉妬心を抱く俺が、自ら訊きにいくとは。
陶次郎「それが全然。生駒市には親戚が今も結構住んでるし、誰か一人くらい暴露してくれるかと思ったけど、ありゃ口止めされてるわ。」
怜六「結構?そんな大所帯なのか?」
陶次郎「父方のおばあちゃんが13人兄弟で、父さんも8人兄弟いるから、大所帯といえば大所帯なのかな。今は全員別々に暮らしてるけど、奈良県を離れたのはおれの一家だけだからな。絶対訳ありやろとは思ってるんだけどなー。」
怜六「・・・まさか村八分とか?」
陶次郎「だったら今も連絡取れてねーし、人は多いだけでそんな争う程の権力もねーから!レイんちとは違ってな!」
怜六「はぁっ!?オレんちだって全然争いなんて無いんですけどー!?」
【権力】の所、否定しなかったぞコイツ!?
陶次郎「・・・・・・とまぁ、おれの自己紹介最新版は以上だけど。レイ、どうだった?ウザい自己紹介ではなかったと思うけど。」
めっちゃ根に持ってるじゃん。
怜六「うん。長い付き合いのオレも初めて知る事が多くて、すごーく面白い内容だったから、余計にムカついてきたんで、トッチィの苦手な事をオレが暴露しまーす。」
めっちゃ理不尽で笑う。
怜六「トッチィはスポーツ万能そうにみえて、掌より大きいボール扱う球技がテンデ駄目だったりしまーす。」
隆静「うん知ってる。体育の授業で見たからな。あれは傑作だったよ。」
陶次郎「宇橋ちゃんと蓑倉、躊躇無く大爆笑してたからな。流石に恥ずかしかったぞ。」
隆静「だって面白いんだもん、普段の舶とのギャップが。」
怜六「はいはーい。怜六くんは今からお風呂を借りまーす。」
隆静「はいはいどうぞー。」
そういうと怜六くんはダッシュでその場をあとにした。
隆静&陶次郎「「・・・逃げたな。」」
〜メルティッド・チョコレート〜
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