六話目 140文字の物語 「ありがとう」

 子供の頃、よく親に誰かに優しくされたら

「ありがとう」とちゃんと言うんだよと

しかられていた。

 僕はその度にうまく言葉にはできないけどもやもやしていた。

 大人になって、やっとそのもやもやの正体がわかった。

 僕は「ありがとう」という言葉を気持ちを疎かにし、ただの義務感として、使いたくないんだ。

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