54文字と140文字の物語

桃口 優/優しさを体現する作家

一話目 140文字の物語 「誕生日」

「どうしてそんなに喜ぶの?」

 君は、不思議そうな顔をしている。

「どうしてって、『誕生日』だよ?」

「誕生日なんて、毎年来るよ。もう大人だし、どうしてそこまで楽しみなのか聞いてるのよ」

「誕生日は何をしても一番になれない僕が、人に祝ってもらえる日だよ。その人の気持ちに、僕は応えたいから」

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