247話 頭の中の声

「そうか。そんなに自分の命が惜しいか……」


「お、お兄ちゃん……! お、俺は反省してるんだ! 俺を見捨てないでくれよ!!」


「ダメだ。ルーシーがお前を嫌悪する以上、生かしておくつもりはない」


「そ、そんな……」


 ガルドの顔が絶望に染まる。

 俺はルーシーに向き直った。


「ルーシー。安心してくれ。今から、こいつを処刑するから」


「っ!?」


 ルーシーはビクッと震える。

 そして、おずおずと口を開いた。


「そ、そうじゃないんだ……」


 彼女は弱々しい声で言う。

 一縷の望みを感じたのか、ガルドが無様な踊りを再開した。

 だが、そんなことはどうでもいい。

 今はルーシーの体調の方が心配だ。


「何だ? 何がそうじゃないんだ?」


 俺は彼女に聞き返す。

 ルーシーは続けた。


「その人に強姦されて殺されたことも忘れられないけど……。今は、頭の中の声が……」


「頭の中の声?」


 俺は首を傾げる。

 そんな俺の様子を見て、ガルドが慌てて叫んだ。



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