207話 ライル一行vs連合軍-2

「はん! 冷やしてばかりじゃなく、火もお見舞いしてやるぜ!!」


 そう叫んだのはレスティだった。

 彼女は両手を広げると、炎の玉を作りだす。


「くらえっ! 【クリムゾン・ファイアー】!!」


 彼女が叫ぶと、生み出された火の塊が弾丸となって連合軍の方へと飛んで行った。


「ぐあああぁっ!」


「ぎぃやあっ!」


 着弾と同時に炸裂したそれは、多数の兵士を吹き飛ばした。

 ――俺の仲間は、それぞれ竜の加護により強化されている。

 そんじょそこらの兵士よりも遥かに強い。

 しかし、そんな中でも当然『格』というものはある。

 俺とリリアがツートップ。

 次点で、戦闘に長けた紅猫族のレスティ。

 そして、その他大勢といったところか。


「ば、馬鹿な……! たった2人で――」


「はい、隙ありです!」


 ズバッ!

 音もなく近づいたアイシャが、兵士の首筋に刃を走らせた。

 隠密行動に長けた彼女なら、これぐらいはできる。


「――はははははは!!」


 力のまま暴れているのは、村娘ミルカだ。

 彼女は特に戦闘の経験が豊富なわけじゃないし、まぁこんなものだろう。

 それでも、竜の加護だけで一般兵ぐらいは圧倒できる。

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