162話 赤子
「あうあー!」
小さな赤子が飛びついてきた。
その赤子は、俺に抱き着くと、そのまま押し倒した。
「ぐえっ」
「むぎゅぅー!」
胸板に頬ずりされる。
ずいぶんと人懐っこい赤子だ。
「なっ!? ライル様に無礼な!」
「いきなり舐めたマネをしてくれんじゃねぇか!」
サテラとレスティが声を荒げた。
二人は竜闘気を開放して戦闘態勢に入る。
だが、俺は手で制する。
「ライル様? しかし……」
「赤子のしたことだ。無礼だからといって殺すことはない。そうだろう?」
力無き女子供にも優しい俺だ。
なんと素晴らしい心構えなのだろうか。
「は、はぁ……。まぁ私も、さすがに赤ちゃんを殺したりはしませんけど……。ただ引き離そうとしただけで……」
「む? そうか。なら頼む」
「はい! ――って、あれ? この赤ちゃん、力がとっても強い……」
「あうあうー!!!」
赤子が声を上げる。
アイシャは戸惑いながら、なんとか赤ん坊を引き剥がそうとしている。
確かに、この赤子の力はずいぶんと強い。
サテラに腹あたりを引っ張られながらも、両手両足で俺の服をつかんでいる。
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