70話 靴を舐めてみろ

 キーネの昔の知り合いが絡んできている。

 今のキーネは俺の奴隷なのだが、それに彼らが納得しない。


「繰り返すが、こいつは俺の奴隷だ。ほら、靴を舐めてみろ」


「は、はい……。んっ……」


 キーネは少し躊躇しながらも、俺の足下に顔を近づけてくる。

 そして、その小さな舌を伸ばしてきた。


「キーネちゃん! そんなことしちゃだめだよ!」


「そうだ! キーネが汚れちまう!!」


 他の仲間が止めようとするが、キーネは聞かない。

 彼女は従順に、俺の命令に従っていた。


「……んぅっ、んっ、んっ……。はぁ……」


 キーネは息を荒くしながら、俺の靴を丁寧に舐めていく。

 その表情はどこか蕩けており、発情したメスの顔になっていた。


「キーネちゃん……。どうしてこんなことに……」


「おいおい……。マジかよ……」


「ああ……」


 かつての仲間の変わり果てた姿を目の当たりにし、彼らは言葉を失っていた。

 キーネのことは諦めてくれたかな?


「よし、いいだろう。そろそろ許してやる」


「ありがとうございます……」


 キーネは立ち上がると、俺に向かって深々と頭を下げていた。


「さて、俺たちも暇ではないのでね。俺とキーネの関係に納得できたなら、今すぐ立ち去れ」


「くっ……!」


 4人組の冒険者は悔しそうに歯ぎしりをしている。


「納得できるか! キーネは俺たちとパーティを組んでいたこともあるんだ!」


「私たちと一緒に行こうよ!」


「調子に乗らないでよね!」


「お前みたいなガキに、キーネを任せられるわけがないだろ!」


 4人は引かなかった。

 キーネの腕を掴み、引きずっていく。


「痛いっ、離して!」


「うるせえ、黙って来い。俺たちがお前の目を覚まさせてやる!」


 キーネは抵抗するが、さすがに4人の力には敵わない。

 そのまま冒険者ギルドを出ていってしまう。


「ちょっと、ライル様! 追わなくてもよろしいのですか?」


「もちろん追うさ。俺が調教中の奴隷を奪おうとするなど、万死に値する」


 俺は彼らを追いかけた。

 路地裏に入り、彼らの背後から声を掛ける。


「待て」


「なんだ、付いてきやがったのか」


 4人が振り向く。


「もう一度言うぞ。キーネは俺のものだ。返してもらう」


「ふざけんな!」


「ふざけてなんかいない。俺は本気だ。キーネに勝手なことをしてみろ。貴様らを皆殺しにして、キーネを奪い返す。わかったか?」


 俺は宣言する。

 これは脅しではない。

 本気で殺す。


「チッ、生意気なガキだぜ!」


「痛い目に遭わせてやろうじゃないの!」


「キーネちゃん、ちょっと待っていてね」


「覚悟しろ!」


 冒険者たちが武器を構える。


「リリア、アイシャ、下がっていろ。俺一人で十分だ」


「うむ。そうじゃの」


「お任せいたします」


 武力行使なら話が早い。

 適当に蹴散らして、自分の矮小さを思い知らせてやることにしよう。




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ぜひ読んでみてください!

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