95試合目 冷戦??

 俺たちはこのままケバブにすることになった。

 しかしながら男子たちは女子チームの情報も知りたいと考えていた。

「こそっと聞くか?」

 いや、やめろよ。

「ああ、敵情視察だ」

 もうだめだ。

「じゃあ西屋敷、お前がいけ」

「なんでだよ!??」

「ああ? だってお前、さくらさんと仲いいじゃん。ふざけんなよ、カスが」

 要は、『お前ごときが女と話してるんだから、てめえがいけ』ってことか。

「わかった……」

 なんで俺が……とは思ったが、ここは従わないと死刑執行されそうなので行くことにした。あと春馬、なんでお前はそっちの味方風装ってんだ。しばくぞ。

「あのお……。すみません」 

 俺は女子たちにはなしかけた。

「何??」

 にらみつけるように俺の方を見た。

 怖い、怖すぎる

「そっちは何をなさるのでしょうか??」

「は? なんであんたに言わなきゃいけないのよ。男子なんてゴミなんだから近寄らないで」

 うん。怖い。

「わっかりましたあ!」

 そう俺は返事をすると俺は男子陣のもとに戻った。

「何の成果も!!! 得られませんでした!!!!」

「「ふざけんな」」

 結局男子たちにボコボコにされた。


「じゃあ磯貝いってくれよ」

「いいよ~!!」

 二つ返事で地獄に向かった。お前のことは忘れない


「ねえねえ!!」

「ど、どうしたの?? 春馬君」

 名前も覚えていない女子に話しかけた。さくらとかに話しかければいいのに……。

「女子って何やるの??」

「ご、ごめんね?? 春馬君でも内緒なの……」

「そっか~!! いいよいいよ! 大丈夫!! ありがとう」

 そういうと春馬は女子たちに手を振りこっちに戻ってきた。

 え?? 俺と待遇違いすぎじゃね?

「なんもわかんなかった!」 

 そういった瞬間男子たちが襲い掛かったが、全員いなされ返り討ちにあった。

「え!? みんなどうしたの???」

 春馬はこれを無意識化でおこなった。

「もはや怖いよ。お前」

「西屋敷!! そんなに褒めても何も出ないよ!!」

 サイコパスか。てめえは。

「しかし、ここまでして無理なんだ。情報収集はあきらめよう。俺たちは俺たちのことに集中しよう」

「ぐう!! 仕方ない……」 

 男どもは何とか妥協してくれた。これ以上は体がもたないからな……


一方さくらは……

 (何よ!! あの女……。名前は知らないけど春馬君に話しかけられてたわ!! 私だって話しかけてほしい!! くうう……羨まにくいい!!!!

 で、でもいいわ!! 一回くらい許してあげる!! 私はおとなですから!!) 

 というのが全部顔に出ているのを俺は見逃さなかった。

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