第11話 家庭教師と美雪

「お茶でもいかがですか?雪村ゆきむらさん?」

美雪みゆき様。ありがとうございます」


 午後14時。

 雪村は海蛇みずち家の日本庭園を観に来ていた。屋敷の裏手には手入れが行き届いた日本庭園が広がる。雪村と美雪は縁側にて2人並んで緑茶を飲んだ。

 先程までこの隣にいた人が男性3人相手に乱れた姿を晒していたとは思えない。

 美雪の着物姿は反則ものだった。こんな艶やかな女性に艶やかな着物姿なんて、余程の理性がないとウッカリ命まで捧げてしまいそうだと思う。

 濃い目の藍色の艶髪も美しい。諒はこんな女性の旦那なら浮気なんてしないだろうな、なんて想いながら雪村は茶を飲んだ。

  

「この屋敷には馴れましたか?雪村さん」

「そうですね。ようやく馴れた感じです。メイドの皆さんとか僕を世話してくれていますし。千秋ちあきさんも真面目に勉強していますよ」

「良かったです。雪村さんのような方が家庭教師で。熱心に千秋の面倒をみて下さって感謝しております」


 縁側には風鈴も飾られている。今は心地よい風が吹いて風鈴の音が聴こえた。これだけでも涼を感じる事ができる。

 美雪の着物も夏に向けて薄手の着物のようだ。色は柔らかな桃色。柄は花柄だ。涼風に乗って香水の薫りが美雪から流れてきた。梅の花の薫りだ。これは確か、白梅香はくばいこうという香水だったよな。雪村はそんな事を考えて、目の前にいる女性への欲情を鎮めようとした。

 しかし、その抵抗もいつまでも続くわけでもなく。

 

「美雪様はいつも着物なんですね」

「はい。主人の言いつけで着ています。それに私も着物のほうが落ち着くんです」

「……あ、あの」

「雪村さん、どうしたのですか?頬が赤くなっていますよ」


(ここに来て僅か1週間の僕がこんな事を申し出たら怪しいかな)


 本当なら今すぐ美雪さんを抱きたい。

 あの艶やかな姿を僕も味わってみたい。

 しかし、家庭教師だ。外の世界を知る普通の家庭教師だ。

 しかし、雪村蓮斗ゆきむられんとの欲情は美雪が側にいる事で否が応でも意識させる。

 抱きたい。抱き締めたい。

 愛液まみれになる美雪さんは綺麗過ぎるのだ。ああ…僕の愛液まみれにしたい。

 それを想う度に下半身が疼く。鎌首をもたげる。

 すると不意に美雪の声が聴こえた。


「私……雪村さんにも興味ありましてよ?男性として」


 美雪は縁側にふたりきりなので雪村に寄り添う。大きくえりが広がる着物を見て、雪村はドキリと刺さる何かを感じる。

 そして雪村の太腿の上に載せられた手に自分自身の手を重ねた。


「繊細そうな綺麗な手ですね。触られたらどんな感じなのかしら?」

「お、奥様」

「美雪と呼んでください。雪村さん。ずっと私の事を考えていたのでしょう?このままでは頭から離れないでしょうから……」

(美雪さんが誘っている。僕の事を。この際、どうとでもなれだな)


「抱かせてください、美雪さん」

「はい。では……私の部屋で続きを……」


 2人は茶碗を片付けると美雪の私室に消える。先程まで美雪が乱れに乱れたベッド。まだ愛液の匂いがする。

 その愛液の匂いで欲情に火が付く雪村はいきなり激しく美雪と唇を重ねる。そして纏う着物を雪村は自分で脱いだ。

 袴を外して、着流し姿になる。その着流しを脱ぐと襦袢じゅばんと呼ばれる下着が露になる。雪村は下半身にはステテコパンツを穿いていた。そこは盛り上がって美雪を欲しがっていた。

 美雪が雪村の下半身を見て思わず驚く。


「まあ…。さっきから欲しかったのね……私が……雪村さんも」

「味見させてください、美雪さんの花びら…」

「いいわ……見て…?雪村さん……」

「美雪さんもこんなに…」


 美雪も着物の裾を広げ、自らの花びらを見せる。ふくらみは露出している。乱れた姿になっていた。顔は悦楽に陶酔して潤んだ瞳になっていた。


「雪村さん……舐めて…!あなたのも舐めるから」

 

 2人揃って下半身に顔を持っていく。そしてお互いに慰め合った。

 雪村の顔が快楽に歪む。あどけない顔が快楽に歪む。雪村もお返しに美雪の極上の花びらを舌で味わう。諒も虜になる美雪の愛液。それは男を等しく夢中にさせる魔性の蜜だ。

 

「美味しいですよ……美雪さん」

「とっても逞しい息子さんね……こんなに大きくして……ハアッ…ハアッ」

「アアッ…!スゴイ……美雪さん!」

「若いっていいわ……諒も若いけど…あなたも素敵…」


 桃色の舌が纏わりつく。雪村の息子に。そこから微かに漏れる雪村の欲望。

 ダメだ。今すぐこれを突っ込みたい。

 そして激しく深い快楽に呑み込まれてしまいたい…!

 美雪も我慢の限界だろう。

 乱れた着物のままで雪村の上に乗り、潤んだ藍色の瞳で懇願する。


「入れさせて!雪村さん!これを!深く深く入れて!」

「いきますよ?」


 一気に美雪を貫いた。 


「あハァ!コレ、スゴイ!」

「待っていたのね、雪村さん。あなたの暴れているわ!」

「美雪さんのここ、最高に気持ちいい」

「突き上げて、雪村さん」


 雪村も家庭教師という事を忘れ、今は逢瀬の関係を愉しむ男になった。

 夢中で腰を突き上げて、得も言われぬ快楽に陶酔する。美雪の花びらは蠢く。雪村を離さないと言うように。蠢いて、中で暴れる家庭教師の男を味わい尽くす。

 雪村が身体を起こして、美雪のふくらみを舌で舐める。薄紅色の乳首を吸い転がす。美雪に自分自身の唾液を絡ます。

 ベッドのシーツは多数の男の愛液で濡れて美雪の色情を煽る。

 

「アウッ!アウッ!雪村さん!雪村さん!」

「美雪さん!美雪さん!凄いよ…美雪さんのここ」

「出して!貴方の愛をぶち撒けて!」

「アアッ!アアッ!イ…イク…!」


 やがて、雪村は焼ける程の快感に襲われ、そして自らの愛を美雪に解き放つ。

 美雪は本能的に種を取り込もうと花びらを収縮させて、更に搾り取ろうとする。

 激しい快楽と背徳感に満ち溢れた情事は雪村が2度目の絶頂に昇る事で終わった。


「凄いわ…雪村さん…。まだ、ビクビク暴れているわ…」

「美雪さんの体……虜になりそうだよ」

「なって?私の虜になって?雪村さん……」


 雪村と美雪は激しく唇を貪り合った。

 それから、家庭教師との秘密の関係が始まったのであった。

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