(四)

 音を立てないようにすぐにその場から離れて自分の部屋に戻った。きっとこうなるだろうと、うすうす気づいていた。

 すぐに押し入れのガラクタ入れの中からM16自動小銃のガスガンを取りだした。中学生の頃に買った物だった。当時は自分をいじめていた同級生に殺意を抱いていたので、これで殺せると思っていた。引きこもってからはそのまま押入れに入れっぱなしにしていた。弾はBB弾だが、マガジンにめいっぱい詰め込んでおいたはずだから、撃てるはずだ。ガスも充填してあるはずだった。

 それを取り出して部屋のドアを開けて目の前の階段のところで構えた。

 下では玄関ドアに何かをぶつけているにぶい大きな音がした。一度、二度、三度、四度、五度……。そして六度目にしてドアが開いた。足音を響かせて家に警官隊が入ってきた。


(続く)

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