第11話 え、試験ですか?

 ということでやって来ましたダンジョンwithリオ。


 試験というのは単純で指定されたボスを倒すこと、今回私たちは最低ランクのギルド設立なので、5階層のボス討伐が試験なんだよね。


「先輩この前から気になってたんですけど、武器、フライパンなんですか?」

「そうだよ。フライパンくんは最強の武器なんだからね!」


 フライパンくんの調子は今日も絶好調で綺麗にスライムやゴブリンを、ミンチにしている。


 ちなみにリオは雄吾さんから貰った武器を使ってるんだけど、明らかにオーバーキルだったから攻撃はやめてもらってる。


 いや、だってこっちに返り血がすごい飛んでくるんだもん。


「先輩そういえば指輪の機能試さなくていいんですか?」

「あ、そういえばそうだね。ボスでいきなり試すより今試しちゃおうか、」


「そうですよ!先輩のかっこいいドレス見たいです!」


 じゃあやってみようか。


「リオちょっとゴブリン何匹かタゲとって連れて来てくれる?」

「おっけいです!」


 リオはそういうとウキウキで走っていった。ほんの少し経って、ダダダという音と共にリオが先頭で4匹のゴブリンをトレインしてきた。


「せんぱーい!助けてくださいぃ!」

「え、ちょっと?!なんでファイターまで入ってるの?!」


 私は先頭のゴブリンを狙ってフライパンを構える。


 シュバっ、手にズンとした衝撃が伝わってくる。

 

 結構衝撃が重いけど、一体倒した!


 一体倒したことで油断してしまったせいで、後ろのゴブリンファイターの殴りへの対応ができなかった。

 私は咄嗟に身構える。


 しかし、私に襲ってくるはずの衝撃は襲ってこなかった。


「へ?」


「先輩なんであんな勢いで受けた攻撃でびくともしてないんですか?!」

 自分の服は既にドレスが展開されていたの。

 さっきの攻撃を受けたと思えないほどに、汚れひとつ付いていないってやばいよね!?


どっせい!!!

 ダメージを負っても大丈夫だと言うことに気づいたので、遠慮なくゴブリン達をボコボコにしていく。


「先輩のそれすごいんですね。ファイターの攻撃食らって無傷なんて、私なんてポーション使う羽目になったのに。」

「本当ね、雄吾さんに感謝しなきゃね、流石にギルドを立てようとしてる中での出費は抑えたいしね」


「そうですね。それにしてもさっきは焦りましたよ」

「ボスは案外簡単に倒せるかもしれないね」


「そうですね。まぁ、目標を達成出来ることは良いことだから」

「そうだね、それじゃあボス部屋に入ろうか」


「はい!!」


ーーーーーーーーーー

 リオとボス部屋の前に立つと少し目立った装飾に、ここにボスが居るのだと知らされる。


「なんか緊張するね。」

「そうですか?私はあんまりですけど」


無駄口を叩きながら、リオと一緒にボス部屋の扉を開ける。


 扉は最初の押すことだけすればそのあとは何もしなくても開いてくれるようね。


 探索者の第一の関門であり、今回の目標。そのボスはホブゴブリン。


 扉を開けて中に入ると扉がゆっくりと閉まっていく。

部屋の奥は結構暗くなっているようで、奥まで見ることが出来ない。


「先輩、おかしいです、本来ならもう、、」

「ん?リオ?」


「本来なら、もう、ホブゴブリンは見えてるはずなんです。それに、こんなに暗くない。。」


 私達は急いで構える。

それに答えるかのように、脇にある松明に炎が灯っていった。

そして段々と見えてきたボスの存在。



 それは本来、ここに居るべきではない存在。

 ここに居てはいけない存在。イレギュラー。


愛刀である真紅に輝く炎を纏った双剣が、その姿を明確に表す。




 それは圧倒的強者、オーガキングだった。


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る