換金スキルとショップスキルでバグ技大金持ち〜無限に増える1円玉でスキルを買いまくる～

第12話

森の中で歩を進めていくが化け物が闊歩しているため慎重に慎重に足を進めていた。

方向が解らなくならないように木に傷をつけながら歩いていると他に傷がある大木を見つけた。

大木は天高く聳え立ち10階建てのビルくらいの大きさがあったが幹にある傷は芯まで入っていて痛々しいが古い傷跡だった。

「これはなんだ。」

13の線が存在する傷跡に疑問しか思い浮かばなかった。

「なあ、13本、奇数の足の指を持つ生物って何か知ってるか。」

「わからねえな。ただここにいるとやばそうなのは確かだ。」

抉れている木を触ればとても硬い芯まで到達していることが伺えた。

それでも枯れていない木の生命力も凄まじいがここまで頑丈な大木を抉る生物が居るということ。

先ほどのイノシシでもこの大木を傷つけることは出来ても精々表面だけだろう。

軽く見渡しただけでも直径５ｍはある幹だ。

これを傷つけるのは骨が居る。

「爪（？）の大きさから見れば前足だけで3ｍってところだろう。」

「少なくとも地球上にこんな生物はいないな。」

「ああ、今貯金は幾ら溜まっている？」

「今はざっと1,000,000（100万）くらいだ。」

「1,000,000か。」

「ザーハック王国貨幣のレートは変わっていないからとりあえず強力なスキルは買えそうにないな。」

ザーハック王国貨幣は100枚毎に貨幣が変わっていく。

銅貨→銀貨→金貨→鉄貨→金剛貨→ミスリル貨→アダマス貨→神珍鉄貨→オリハルコン貨と言った順番だ。

オリハルコン貨一枚に辿り着くまでに必要な金額は100,000,000,000,000（100兆）円。

並列思考スキルをもう一つ手に入れるには30,000,000,000,000,000,000(300京）円。

俺の秒給料３円無限換金術で並列思考スキルを併用してフル稼働休みなしだとしてもかかる時間は

30,000,000,000,000,021,600時間、

日数にして1,250,000,000,000,000,900日、

年数にして約3,424,657,534,246,577年という計算だ。

明らかに現実的ではない。

ここまで非現実的な数字を見せられればもう並列思考スキルを手に入れるのは皆無なのだろう。

ミスリル貨幣も手に入れるのには１円玉だけでは無理だろう。

そして現在溜まっているお金100万円を用いてこの場所を避け五体満足で買えられる方法を考えていた。

散眼のように左右を分けて画面を見ながらスキルを手早く見ていく。

「なあ、スキル付与スキルと自爆スキルって合わせられないのか。」

「説明文的には問題なさそうだが…………」

スキル付与

スキルを付与する。

ただし呪いなどのデメリットスキルは対応不可能。

自爆

自分の90％の体力を犠牲にして発動するスキル。

間違っても最後の閃光とか最後の大爆発とか言って死んだふりをしてはいけません。

尚このスキルは攻撃時に最も威力の高い攻撃を出したい時がトリガーとなります。

対象の持つ魔力を全て解放しますので威力は個人依存です。

価格　銀貨一枚

「魔力型か肉体型かにもよるとは思うがこの世界の物理法則事情的に全部の敵に魔力を持っていると考えるのが妥当だろう。」

「なら自爆スキルはダメだな。最悪俺らごと吹っ飛んじまうのはやばい。」

「ああ、一先ずここを離脱するとして五体満足でなかった場合のことを考えた方がよさそうだ。」

「ならこのスキルとこのスキルでどうだ。」

隠忍

隠れ忍びありとあらゆる機をうかがう。

精神面、身体面でともに活躍すること間違いなし。

価格　ザーハック王国鉄貨100枚

肉体形状記憶

肉体の形状を記憶させ記憶させたものに治癒される。

あくまでも肉体の形状を記憶されることが必要となる。

よって最初から部位欠損のある人間や部位欠損をしてからこのスキルを手にしたのでは意味は無い。

価格　ザーハック王国鉄貨100枚

「ああ、そうだな。とりあえず今購入できるスキルは一つだけだからどちらを選ぶか。」

悩み考えようとしつつもこの場を離れようとしたとき異変は起きた。

木々がざわめき、

鳥が一斉に旅立ち、

小動物たちは一斉に自分の巣を放棄する。

「きゃああああああ。」

「「厄介ごとだな。逃げるか。」」

しかし、この声と気配は紛れもなく人間の声。

動物の逃げる反対方向から香水の匂いがしたから間違いはないと思う。

第一異世界人と接触することは今後の探索をするうえでプラスになることは間違いない。

リスクとメリットデメリットを考えまとめるとこうなる。

リスク

俺には手の負えないような化け物、もしくは数で最悪死ぬケース。

もしくは聞こえた声の人物自体が危険人物なケース。

もしリスクがどちらも無かった場合のメリットデメリット。

メリット

異世界人の知識を賢者からの知識だけでなく知ることができる可能性が高い。

また救出することによって吊り橋効果で信用されやすく人脈の作成が楽になる。

デメリット

自分のスキルや鍛錬の詳細がばれる可能性。

賢者の家を逆算されて住処がばれる可能性。

傷を見られる可能性。

これらのことを天秤にかけて現場に向かうかを考えなくてはいけなかった。

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スライム道