第22話 言っていない
僕の事、みずきさんの事。
互いのまだ知らない事を打ち明けてはいない。
このままで良いのだろうか?
僕は少し不安になる。
秘密というのは、誰しも1つや2つはある。
でも、何かあった時に知らなければ、時に最悪を招く事もある。
もちろん、言わない方が幸せな事も重々承知している。
だが、僕とみずきさんは、話した方が良いような気がしている。
互いの秘密を打ち明けた時、ステップアップ、出来るような気がしている。
だから、僕はみずきさんにメッセージを送った。
面と向かっては言いにくいから、この形で連絡。
『今週の休みに僕の家でまた勉強どうかな?』
すると、直ぐに返信が来た。
『良いよ!』
どうなることやら。不安でいっぱいだ。
※
勉強会当日。
「自分の家より、
「なんか分かるぜ」
「だよね」
うーん・・・大事な日に、決戦の日に、何故か
まあ良いけどさ。
いつもの4人の他に、もう2人。
「みずきさん、ここ教えて下さい!」
妹の
「良いよ!」
妹の甘えに付き合ってくれてありがとう、みずきさん。
「お兄さん、僕まですみません」
弦姫の友達である
「良いよ、大丈夫」
「ありがとうございます」
礼儀正しいなー。
なんだかんだで、2時間が経過した。
「はぁー、終わろう!」
優愛が脱落。
「おやつの時間だしな!」
聡は便乗。
「だね、2時間頑張ったし」
賛同してるみずきさん。
「お兄ちゃん、おやつ持ってくるね!お祖母ちゃんとお祖父ちゃん、用意していたから」
妹よ、兄は祖父母の用意周到を知らないんだが。
弦姫は宮西君と一緒におやつを取りに、僕の部屋を出た。
「いやー、毎回甘えちゃってごめんね弦大」
「いいよ、慣れてる」
「ガハハッ!だろうな!」
みんな、僕の家をなんだと思っているのやら。
「はーい、おやつ~♪」
「「「ありがとう!」」」
オレンジジュースとプリンが今回のおやつだ。
おやつが配られた所で。
「「「いただきまーす!」」」
プリンをスプーンですくって一口食べると、ふんわりと甘さが口の中で広がる。
うん、美味い!
「プリン最高ー!」
と優愛。
「美味いぜ!」
と、聡。
「優しい甘さで良い♪」
と、みずきさん。
「宮藤さん、これ手作り?」
「そだよ!お祖母ちゃんと一緒に作ったのさ!」
「おぉー!」
感激している宮西君。
ドヤ顔の弦姫。
というわけで、みんなで美味しくおやつを頂きました。
※
優愛と聡が先に帰り、後から弦姫が途中まで宮西君に付き添う為に出て、今は僕の部屋には僕とみずきさんの2人だけ。
2人きり、緊張しています。
そして、ふと思い出す。
大事な話をするのは今だ。
「みずきさん」
「何?」
「とても大事な話を、しても良いかな?」
みずきさんは目を丸くする。
「うん、良いよ」
そうして正座をしだした。
「良いよ、足崩してて」
「ううん、大事な話なんだから、それなりの態度を」
「無理しないでね?」
「キツくなったら崩すからご安心を」
僕の話の間、持つかな。
なんて思いつつ。
「では、早速」
「うん」
固唾を飲むみずきさん。
そんなに緊張しなくても。
「誰にも話した事がないんだけどさ・・・」
そう、今まで閉まっていた過去について。
「僕の・・・両親の事を・・・話すね」
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