第20話 新学期、違う心持ちで
3年生になってしまった。
高校生としていれる最後の年。
あっという間に過ぎ去るのだろう。
僕は変わらず部活に所属せず、園芸委員に所属。
そして委員会の委員長に就任。
あー、嫌だなーと思いつつ、やることは変わらない。
花や観葉植物に優しい環境を維持するのみ。
クラスはと言うと、僕は文系の大学を目指すクラスに。
みずきさんは僕と同じクラス。嬉しいです。
ただ担任は、あの人。
「まさか3年の担任になるなんてな!よろしく!」
はぁ・・・
まあ良いけど。
今さら知らない先生よりはマシ。
この1年はどんな感じになるのやら。
ジェットコースターよりかは、緩やかなメリーゴーランドくらいのスピードでお願いします。
※
「同じクラスだね」
「うん」
「嬉しい♪」
「僕も」
図書室、僕とみずきさんしか居ない。
「ねえ、呼び捨てで呼んでよ!」
「いやー」
付き合ってまだ1ヶ月。未だにみずき“さん”と呼んでいる。
恋人になっただけでも心がドキドキしているのに、呼び捨てとかまだ早い。
「そのうち呼ぶから」
「早く呼んでね?」
「努力します」
これを初々しい、と言うのかな?
不馴れな関係で大変だが、今の所順調です。
※
ある日の下校中。
みずきさんの歩幅に合わせて歩く。
一緒に帰るだけで幸せを感じている自分。
気持ちもふわふわ状態。この時間がもう少し長くなれば良いのに。
「「あっ」」
ふと互いの手が軽く触れた。
そう言えば、まだ手を繋いでなかった。
良いのかな?うーん・・・えい!
僕からみずきさんの手を取り繋いだ。
さすがに恋人繋ぎという高度な事は出来ないけど普通なら、と。
「・・・良いよね?」
「うん・・・良いよ」
今、みずきさんはどう思っているかな?
良いよって言ったから大丈夫なはず。
「初めて・・・だね」
「そうだね」
緊張からかぎこちない会話。
でも手を繋いでいるから、緊張していても嬉しく思う。
「次は私から繋ぐね」
「うん」
互いに微笑みつつ、歩を進めた。
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