第5話 ス〇ッとJAPAN

皆さんは、『ス〇ッとJAPAN!』という番組をご存じですか。

非常識でムカつく人が成敗されてスカッとするという実話を視聴者が投稿し、それをミニドラマ化するというテレビ番組です。


私、ハガキ職人なものですから、いろんなところに思いついたネタを送りつけずにはいられない性分でして、この番組にももちろんネタを送り、5回採用されました。おかげで計15万円いただきました。ありがたや、ありがたや……。



で、皆さんはああいう「現代におけるざまぁ系」とでもいうんですかね、あれってフィクションだと思いますでしょ。


あれ、実話なんですよ。少なくとも私はそうだったし、スタッフさんも実話であることを重視して採用されていたと思います。


その証拠と言えるかどうかはわかりませんが、私は5回目の採用で、何度も採用されていることがスタッフさんにバレまして(ペンネームは毎回変えていた。そのほうがテレビは採用されやすい気がする)、その後、まったく採用されなくなりました。渾身のネタをぶつけてもダメでした。私は自分のネタにランクを付けているんですが、Sランクが落ちた。創作だと誤解されてしまったのだと思うんですよ。それで私はもうあの番組は出禁になったのだなと悟って身を引いたのが3年ぐらい前かな?


あのネタ、Sランクのはいいネタだったんですけどね。5回目に採用された出涸らしみたいなBランクネタを取り消して、Sランクのネタを採用してほしかったぐらい。


普通の暮らしをしている人からしたら、5回も採用されるってことは創作じゃんって思われるんだろうと思うんです。でも、実話なんですよ。身バレ防止のために性別を変えたり、関係性を変えたりはしておりますが、ストーリー部分は実話です。

それどころか、「話を事実より控え目に書く」ということをやっていたぐらいです。

本当は「お客様がキモかったからいじめてやったと自慢する同僚」という事実を、「新人いびりをする嫌味な同僚」ぐらいに変える。そうじゃないとリアリティが出ないんですよ。現実のほうがぶっ飛んでるから、投稿するときは内容を大人しくしないとダメなんです。盛るんじゃなくて、減らす。それでさえ「あんなの嘘松だろ」ってネットでは言われるっていう。リアルのあの人はもっとどうかしてるのにねえ。




実話ということは、つまり私の周りは変人だらけってことになるわけですけども、そりゃね、私が社会不適合ですからね。私の周辺もどうかしてる人間の掃きだめですよ。

非常識なことをする人も多いですけど、そういう人を見たら注意せずにはいられないという正義感が強いタイプも多い。

今で言うと、ノーマスク運動をしている人と、マスク警察の人のどちらとも交流があるって感じです。これで事件が起こらないわけがないでしょう。そりゃ5回も採用されますわ。

身近な人をネタにして応募するとか、良識を疑われるから、絶対に言えないので隠しています。みんな、内緒だよ!



ちなみにどうかしている知人が多いってのは、別に貧乏っていう意味じゃないですよ。私が出会ってきた資産家、社長、弁護士などもどうかしてましたから。多分、人間の質は経済状態や肩書きとは関係ないのでしょうね。



ある日、仕事先の人たちと焼肉の食べ放題に行ったんですが、とある弁護士さんがこっそりデザートのプリンを懐に隠し持って店から出るのを見たときは唖然としました。あんなに稼いでいるのに、そういうことするんだっていうODOROKI。びっくりしすぎて思わずローマ字表記になったわ。弁護士さんが言うには「家に帰ってゆっくりくつろぎながらプリン食べたいって思った」んですって。そういうのは良くないって私が苦言を呈したら、「プリンぐらいいいじゃん」ですって。いやいや食べ放題で無断テイクアウトはアウトでしょ!

もしもこういうのを決して見過ごせないタイプの知人に見つかったら、「店に返してこい」って譲らないだろうし、弁護士は弁護士で「これぐらいいいじゃん」って言い張って、大げんかの末に殴り合いになったはず、絶対。このときは目撃者が穏健派の私だけで良かったですね(でもネットには書く)。


こういう事案が毎日のように発生している私の周辺。どうかしている。そう思って、また転職したのでした。私自身もどうかしている。いくら環境を変えたところで、自分が変わらないとまた同じことの繰り返しなんですけどね。頭ではわかっちゃいるけれど~。

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