第46話 新たな挑戦
午後は午後で忙しい。今日は落武者チャンネルの撮影だ。今回は初のフロアボス落とし穴チャレンジ。そもそも第10階層のフロアボス自体が初めてなのでかなり慎重に準備をしてきた。落武者チャンネルで死者を出す訳にはいかない。
「どもー!落武者ワクツでーす!」
和久津がカメラに向かって挨拶をする。随分とこなれてきたものだ。
「本日はーなんと!フロアボスの落とし穴チャレンジです!」
和久津がチラッとボス部屋の方を見る。幸いなことに待ちパーティーはいない。自分達のタイミングでボスに挑むことが出来る。
「いやー、実は第10階層のフロアボス、初めてなんですよねー!第10階層のフロアボスはそう!オークジェネラルです!」
和久津が編集を意識してオークジェネラルを紹介する。
「オークジェネラルと言えばオークキング、オークチャンピオンに次ぐオーク系のモンスターなんです!まっ、オークキングは人間って説もありますけど、僕は全く信じておりません!あれはオークです!」
オークキングことヨコチンのマネージャーには話を通してある。近い内にコラボする予定だ。
「それでは、早速行ってみましょう!落武者ワクツの落とし穴チャレンジ!今日のターゲットは、オークジェネラルゥゥ!!」
一度カメラを止める。
「和久津。分かってるな。とにかく逃げろ。何があっても逃げろ。どうしても無理な時は切り札だ」
「切り札って大丈夫なんですか?これ」
「俺が嘘言ったことあるか?」
「嘘を認めないだけじゃないですかー!」
「準備はいいか?」
「スルー!もういいですよ!行っちゃいましょう!」
随分と思い切りがよくなったものだ。自信に満ちているのがわかる。流石は登録者数100万だ。
「カメラ回すからな」
「いいっすよー」
和久津と一緒にボス部屋に入る。背後で扉が閉まり大きな魔法陣が地面に描かれ、徐々に狭まって消える。
「ブヒヒイイイイィ!」
「うわ!デカイ!ヤバイ!」
和久津が取り乱した。これは演技ではない。本当にびびっている。それぐらい、オークジェネラルは今までのモンスターとは違っていた。2メートルを遥かに超える近い巨漢に巨大なハルバードを持っている。
「全然想像よりデカイっすわ!こんなの1人で相手するの無理っしょ!」
ゆっくりとオークジェネラルが歩き始めた。
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